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アンコールワット

アンコール・ワット(カンボジア) / Bjørn Christian Tørrissen(CC BY-⁠SA 4.0)

モデルプラン公開 更新日

シェムリアップ3泊5日モデルプラン⁠|世界遺産アンコールワットを堪能する遺跡の旅

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目次8項目
  1. 旅程表
  2. DAY 1 入国の手続きは2本立てで、始まった時期も別
  3. DAY 2 券はロード60でしか買えない。他で買ったものは無効
  4. DAY 3 北東25kmの彫刻と、券を窓口でしか買えない湖
  5. DAY 4 市内で買い物をして、乗り継ぎ便に合わせて出る
  6. 旅程の変更案
  7. 宿泊エリアの選び方
  8. この旅行でかかる費用
2人分のアンコールパス3日券(航空券・宿・食事・トゥクトゥクを除く)124米ドル内訳と確認日は次の表

有効な券を売っているのは公式の窓口とオンラインだけで、実店舗は市中心部から4km離れたロード60にあります。遺跡に行くのが2日でも、1日券を2枚買うより3日券のほうが1人12ドル安く上がる。2人で124米ドル、日本円で約19,000円です。

旅程表

午前午後夜
DAY 1日本を出発(乗り継ぎ)—シェムリアップ着 → パブストリート
DAY 2アンコールワットの朝日(開門5:00)とアンコールトムタ・プローム市内で夕食
DAY 3バンテアイ・スレイ(北東25km)トンレサップ湖のボート湖の夕日
DAY 4オールドマーケットとマッサージ空港へ乗り継ぎ便で帰国(翌日 日本着)

DAY 1入国の手続きは2本立てで、始まった時期も別

動線の意図: 初日は空港から宿までの1本にする。翌朝の開門が5時なので、夜に予定を足さない。

出発前: e-Visaとe-Arrivalは別の制度で、別の時期に始まった

カンボジアに入るのに要る手続きは、観光ビザと Cambodia e-Arrival。よく「どちらも2024年9月から必須」と書かれていますが、これは正確ではありません。観光ビザの制度自体はそれよりずっと前からあり、2024年に新しく始まったのは e-Arrival のほうです。

e-Arrival は出入国管理総局が作った仕組みで、到着ビザと入国カード、健康申告、税関申告の4つをオンラインの1つの様式にまとめたものです。提出は入国の7日前から当日まで、料金はかかりません。旧来それぞれ紙で書いていたものが1本になったと理解すれば足ります。

観光ビザの料金は、公式サイトがボット対策の画面を返して開けず、額を確かめられませんでした。「約30米ドル」という数字が広く出回っていますが、一次情報で裏が取れていないので、費用表には入れていません。申請先だけははっきりしていて、外務国際協力省の公式サイトが evisa.gov.kh を公式の窓口としてリンクしています。検索結果の上位に出てくる代行サイトではなく、この1つだけが政府の窓口です。

夜: 空港は2023年に別の場所へ移った

シェムリアップの空港は2023年10月16日に入れ替わっています。いまのシェムリアップ・アンコール国際空港は敷地700ヘクタール、滑走路が3,600m×45m、ターミナルの床面積が81,800平方メートルで、年間の処理能力は700万人。2025年の実績は発着15,200便、旅客147.8万人、貨物1,202トン。開発と運営を担うのは雲南省系3社が出資した事業会社で、カンボジア王国政府と55年の建設・運営・譲渡契約を結んでいます。古い案内が書いている街のすぐ近くの空港とは別の場所なので、宿までの距離感を旧来の記事から借りると外れます。

到着ロビーの配置は公式に出ています。国際線の出口から約80mにシャトルバスの乗り場、約60mにGrabの乗降指定場所、そしてタクシー乗り場。市内側のバス停留所は7 Makara Road のACE School前です。ただし空港から市内までの距離も所要時間も確定運賃も、公式サイトには数字が載っていません。「車で何分」と書いてある記事は出所のはっきりしない値なので、着いてから運転手と時間を確認するほうが早い。

通貨は米ドルが広く流通します。在日カンボジア政府観光局の案内によれば、釣り銭は1米ドルをおよそ4,000リエルで換算して渡され、50ドル以下の小額紙幣を持っていると屋台でも困りません。日本円からの目安は1米ドルが153.61円。乾季は11月から5月で、なかでも11月から1月は雨が少なく歩きやすいと案内されています。

電圧とプラグ形状は、カンボジア電力公社の公式サイトに記載が見当たりませんでした。「A・Cタイプが混在、230V」という説明が定着していますが、一次情報の裏が取れていないので、手持ちの機器が受けられる電圧は本体の表示で確かめることになります。切り分け方は変換プラグと変圧器の違いにまとめてあります。

DAY 2券はロード60でしか買えない。他で買ったものは無効

動線の意図: 開門が5時、閉門が18時30分。朝日に合わせて出て、日が高くなる前に中心の2つを終える。券は前日までに押さえておく。

アンコールパス(アンコール考古公園)開門 5:00 / 閉門 18:30

見どころ: 券は1日券37ドル、3日券62ドル、7日券72ドルの3種類。有効期間の数え方が種類ごとに違い、1日券はその日限り、3日券は発行日から7日以内に3日分、7日券は30日以内に7日分を使えます。連続した日でなくてよいので、間に湖や市内の日を挟んでも無駄になりません。入場できる遺跡は50か所以上あります。

実用tip: 券を売っているのはアンコール・チケットオフィス(Angkor Enterprise)だけで、ここ以外で買った券は無効です。実店舗はロード60、市中心部から4kmの位置。ほかに公式サイト、公式アプリ「Angkor Pass」、キオスク、ガイド経由の5通りで買えます。支払いはVisa、Mastercard、UnionPay。1日券は写真が要りませんが、3日券と7日券は顔写真が必要です。12歳未満は入場料が免除されて券自体が要らないものの、年齢確認のために旅券の提示を求められることがあります。

1日券
37 米ドル(当日限り)
3日券
62 米ドル(発行日から7日以内に3日分)
7日券
72 米ドル(発行日から30日以内に7日分)
開門
毎日 5:00〜18:30・入場できる遺跡は50か所以上
窓口
ロード60(市中心部から4 km)・ほかに公式サイトとアプリ
公式
Angkor Enterprise ↗

券種の選び方は計算で決まります。この行程で遺跡に入るのはDAY 2とDAY 3の2日だけですが、1日券を2枚買うと74ドル。3日券は62ドルなので、2日しか使わなくても3日券のほうが1人12ドル安い。3日分を使い切る必要はどこにもありません。3日券が損になるのは、遺跡に入るのが1日だけのときです。

早朝: アンコールワットは敷地162.6ヘクタール

世界最大の宗教建築で、敷地は162.6ヘクタール。スールヤヴァルマン2世が12世紀前半に建立を始め、12世紀末までにヒンドゥー寺院から仏教寺院へ移りました。西参道の池に映る五つの尖塔と、その背後から昇る朝日が、この街でいちばん人が集まる時間帯です。開門が5時なので、宿を出るのは暗いうち。懐中電灯の代わりになるものを1つ持っていきます。

日が高くなってからは回廊に入ります。壁一面のレリーフは乳海攪拌の物語などで埋まっていて、朝日の混雑が引いた時間のほうが落ち着いて見られます。中央祠堂へ上がる階段は急なので、朝日のあとに一度宿へ戻って、涼しい時間に出直す組み方もできます。

午前: バイヨンの塔の数は、公式には出ていない

アンコール・トムのバイヨン寺院に並ぶ四面仏の塔群
バイヨン寺院。四方を向いた顔が彫られた塔が積み重なる。 写真: Diego Delso(CC BY-SA 3.0)

王都アンコール・トムの中心にあるのがバイヨンです。12世紀末から13世紀初頭、大乗仏教を奉じたジャヤヴァルマン7世が国寺として建てました。「クメールの微笑み」と呼ばれる顔が、塔の四面に彫られています。

「約50の塔」という数字がよく出てきますが、公式にバイヨンの塔数を明記した記述は見つかりませんでした。Angkor Enterpriseのサイトに出てくる「50」は、アンコールパスで入場できる遺跡の数です。数字が独り歩きしている型なので、塔の数は書かずに置いています。

同じアンコール・トムの中、バイヨンの北西にバプーオンがあります。11世紀半ばにウダヤーディティヤヴァルマン2世が国寺として建てた三層の寺院山で、シヴァ神に捧げられたもの。バイヨンと続けて見ると、仏教とヒンドゥー教の寺が同じ王都の中に並んでいることが分かります。象のテラスとライ王のテラスも同じ区画にあるので、歩いてつなげられます。

同じ券で入れる遺跡が50か所以上あるので、2日で回り切ることは最初から考えなくていい。公式の紹介ページには千を超える寺院があると書かれています。中心部の3つ以外で、この券の範囲にあって名前が挙がるのを並べておきます。

プリヤ・カンは12世紀、ジャヤヴァルマン7世が父を祀るために建てた寺で、アンコール・トムの北東、ジャヤタタカ・バライという貯水池の西にあります。プノン・バケンは9世紀末、ヤショーヴァルマン王の時代に建てられたヒンドゥーと仏教の寺院山で、シヴァ神に捧げられたもの。どちらもアンコール・ワットとバイヨンの間の時代にあたるので、中心部の2つを見たあとに回すと、王朝の時間の幅が見えてきます。

3日券を買って2日しか使わない前提なら、残り1日分をこの2つに充てる余地があります。発行日から7日以内であれば連続していなくてよいので、DAY 4の午前に半日だけ足す形も成立します。

午後: タ・プロームは木と石がせめぎ合う

タ・プローム遺跡の参道正面と、塔の上に育った樹木
タ・プロームの参道正面。塔の上に樹木が根を下ろしている。 写真: Wikimedia Commons(CC BY 4.0)

スポアンという巨木の根が石積みを抱き込んでいる遺跡です。修復で木を切らずに残す方針が取られているので、人の造ったものと木の力が押し合ったままの状態で見られます。午後の木漏れ日が入る時間帯が、いちばん見やすい。

遺跡で禁じられていること: 公式の行動規範は7項目

アンコールには来訪者向けの公式な行動規範があり、7つの項目に分かれています。知らずに踏むと注意される種類のものなので、券を買う前に一度読む価値があります。

服装の規定がいちばん具体的です。膝より上の短パンとスカート、肩を出す服は、聖域では禁止されています。「肩と膝を隠す」という言い方は方向としては合っていて、公式はそれを「禁止」という強さで書いています。

建造物については、彫刻に触れること、もろい構造物に座ること、寺院にもたれること、出土品を動かしたり持ち去ったりすること、落書きが厳禁と書かれています。加えて、リュック、先のとがった傘、三脚、ハイヒールは寺院の中へ持ち込んだり履いたりしないことが推奨されています。三脚が推奨されないのは、朝日の撮影を目的に行く人には効いてきます。

アンコールは2012年から禁煙の場所です。世界保健機関の加盟施設としての措置で、たばこが山火事の原因になることも理由に挙げられています。ごみも同じ扱いです。

僧侶については、写真を撮るなら先に許可を得ること、女性は僧侶に触れず、近くに立ったり座ったりしないことが明記されています。それから子どもへの対応。物を買うこと、菓子や金を渡すことは、学校へ行かずに物乞いをすることを促す行為だと公式に書かれています。助けたいなら、認定された団体へ寄付するよう案内されています。

残る2つは、立入禁止の表示に従いぐらついた石に登らないこと、そして聖域なので大声と騒音を立てないこと。どれも「マナー」の域を出ない話に見えますが、公式が名指しで挙げている以上、現地では注意の対象になります。

DAY 3北東25kmの彫刻と、券を窓口でしか買えない湖

動線の意図: 郊外を午前、湖を午後に置く。湖のボート券はオンラインで買えないので、現地の窓口に寄る時間を行程に入れておく。

午前: バンテアイ・スレイは10世紀、シヴァ神の寺

赤い砂岩でできたバンテアイ・スレイ遺跡の伽藍
バンテアイ・スレイ。赤みを帯びた砂岩の小ぶりな伽藍が並ぶ。 写真: Tsui(CC BY-SA 3.0)

10世紀に建てられ、シヴァ神に捧げられた寺院です。プノン・デイの丘の近くにあり、公式の位置表記はアンコールの主要な遺跡群から北東へ25km。旧来この寺は「市街から車で約40分」と紹介されてきましたが、公式が出しているのは距離だけで、しかも起点がシェムリアップ市街ではなくアンコール中心部です。所要を分で見積もるなら、市街からなのか遺跡群からなのかを先にそろえる必要があります。

赤い砂岩に彫られたレリーフの細かさで知られ、「東洋のモナリザ」と呼ばれる女神像があります。建物は小ぶりで、歩き回る面積そのものは中心部の遺跡よりずっと小さい。中心部で疲れた翌日に入れるなら、体力の配分としては噛み合います。

午後: トンレサップ湖の券はオンラインで買えない

トンレサップ湖の水上家屋が夕景の湖面に並ぶ
トンレサップ湖の水上村。夕方の湖面に家屋が浮かぶ。 写真: Deror_avi(CC BY-SA 3.0)

湖へ出る玄関口がチョンクニアスで、ボートの券はアンコールパスと同じ事業者が扱っています。ただしこちらはオンラインで買えません。公式が「チョンクニアス地区の券はオンライン販売しておらず、窓口で直接購入する必要がある」と明記しています。券の種類は小型・中型・大型の3つで、額は窓口で提示されます。

費用表にこの行を入れていないのはそのためです。アンコールパスは事前に額が分かり、湖のボートは分からない。同じ公的な料金でも、読める額と読めない額が混ざっている行程になります。

湖のボートが遺跡と同じ事業者の扱いだということ自体は、押さえておく価値があります。公式サイトは自らを「考古公園の入場券を買い、チョンクニアスをボートで巡るための公式サイト」と説明していて、湖は遺跡のついでではなく同じ枠の中にあります。通りで声を掛けてくる仲介を通さなくても、窓口で直接買える仕組みです。

湖そのものは乾季と雨季で大きさが変わります。乾季の11月から5月は歩きやすい代わりに水位が下がり、雨季は水が広がる代わりに移動が読みにくくなる。どちらを取るかで、この日の見え方が変わります。

夜: パブストリートは通り1本に集中している

シェムリアップのパブ・ストリートのネオン看板と人混み
パブストリート。ネオンの看板が出た通りに店が詰まる。 写真: Christophe95(CC BY-SA 4.0)

飲食店とバーは市内のパブストリート周辺に固まっています。遺跡から戻って歩ける範囲に選択肢がまとまっているので、夜の移動を考えずに済む。冷えたアンコールビールを飲む場所としては、この通りの密度がいちばん高い。

DAY 4市内で買い物をして、乗り継ぎ便に合わせて出る

動線の意図: 空港までの所要が公式に出ていないので、余白を多めに取る。最終日に遺跡を入れない。

オールドマーケットで土産を見て、クメールマッサージで足を戻す。市内で完結する組み方にしているのは、日本への直行便がなく乗り継ぎになるためです。遅れが出たときに削れるものを最終日へ寄せておくと、行程全体が守られます。

ココナッツ風味の蒸しカレー、フィッシュアモック
アモック。ココナッツの風味で蒸したカレーで、クメール料理の代表格。 写真: Mat Connolley(CC BY 2.5)

マーケットで買うものは、米ドルとリエルのどちらでも払えます。釣りは1ドルを4,000リエルで換算して渡されるので、1ドル未満の端数はリエルで返ってきます。帰国前に使い切るなら、最終日の買い物をリエルで払って手元を軽くするのが素直です。逆に大きい額はドルの紙幣で持っておくほうが、両替の手間が減ります。

クメール料理は辛さが強くありません。代表格のアモックはココナッツ風味の蒸しカレー、ロックラックは牛肉を炒めてご飯と合わせるもの、クイティウは米麺のスープで朝食の定番です。春巻きは揚げも生も出てきます。遺跡を歩いたあとに入る店では、汁物のクイティウのほうが体に入りやすい。

旅程の変更案

雨の日の組み替え

遺跡には屋根がありません。回廊の中は雨をしのげますが、アンコール・トムの移動もタ・プロームの参道も屋外です。降られた日は、屋根のある回廊の時間を長く取り、外に出る区画を減らす形に組み替えます。

撮影を目的に行くなら、もう1つ効いてくる規定があります。三脚は寺院の中へ持ち込まないことが公式に推奨されています。朝日を三脚で狙う前提で荷物を組むと、現地で下ろすことになります。手持ちで撮れる機材にしておくほうが行程が乱れません。

ここで効いてくるのが3日券の有効期間です。発行日から7日以内に3日分を使えばよく、連続している必要がありません。雨でDAY 2を潰しても、DAY 3かDAY 4に振り替えれば券は無駄になりません。1日券を買っていると、この振替ができません。

湖のほうは雨季のほうが水位が上がります。乾季の11月から5月に行くと歩きやすい代わりに、水上村の見え方は水の多い時期と変わります。

便が1時間以上遅れたら

日本からは乗り継ぎになるので、初日の到着は読みにくい行程です。DAY 1 に予定を入れていないこの組み方なら、翌朝から同じ行程が使えます。崩れるのは宿のチェックイン時刻だけです。

効いてくるのは券を買う時間です。3日券と7日券は顔写真が要るので、窓口かアプリでの手続きに時間がかかります。到着が遅れて当日に買えなかった場合、翌朝5時の開門に間に合わせるにはアプリで先に買っておくほうが確実です。

復路が遅れる側は影響が小さい行程です。DAY 4 に入れているのが市内の買い物とマッサージだけなので、削るものが最初からありません。

疲れた時の妥協案

削るならアンコールワットの朝日です。開門が5時なので、宿を出るのは4時台。ここを落とすと1日が2時間ぶん楽になり、回廊のレリーフを昼の涼しい時間に見る形へ切り替えられます。券の額は変わりません。

券そのものを軽くするなら、遺跡を1日に絞って1日券37ドルにする手があります。2人で74ドル、3日券より50ドル安い。ただしアンコールワットとアンコール・トムとタ・プロームを1日で回すことになるので、暑い時間帯に歩く量が増えます。

逆に1日足せるなら、別の券で入る遺跡を加えられます。ベンメリアが1日券10ドル、コーケー遺跡公園が1日券15ドルで10か所以上に入場できます。いずれもアンコールパスとは別の券なので、3日券の残り1日分とは関係なく買い足すことになります。コーケーの開門は6時で、閉門はアンコールと同じ18時30分。開門が1時間遅いぶん、朝日の予定を入れる必要がありません。ベンメリアは1か所だけの券なので、行き先を1つに絞って半日で戻る組み方に向きます。

宿泊エリアの選び方

この行程で宿に求める条件は、朝4時台に出られることと、夜に歩いて戻れることです。遺跡までは毎朝トゥクトゥクで出るので、市内のどこに泊まっても遺跡への距離はあまり変わりません。差が出るのは夜の側です。

トゥクトゥクは1日単位で借りるのが定番ですが、料金の公式な表はありません。宿で手配してもらう形にすると、朝4時台の出発を前日のうちに伝えられるので、当日に交渉する手間が消えます。額は宿と運転手の間で決まるので、行程を先に伝えて、回る遺跡の数で見積もってもらう順番になります。

パブストリート周辺は飲食の選択肢が最大で、夜に移動せずに済みます。その代わり夜遅くまで音があるので、朝4時台に起きる前提だと眠りが浅くなります。

オールドマーケット周辺は、パブストリートから1本外れる分だけ静かで、最終日の買い物が宿の前で完結します。市内で完結する行程との相性はここがいちばんいい。

郊外のリゾートに泊まると静かさは手に入りますが、夜の食事のたびに車を出すことになります。3泊のうち1泊だけ郊外に振る形なら、静かな夜と歩ける夜の両方が取れます。

パブストリート周辺夜に移動したくない。食事の選択肢を最大にしたい。3泊
オールドマーケット周辺朝4時台に起きる。最終日の買い物を宿の前で終えたい。3泊
郊外のリゾート静かに眠りたい。夜の移動を車で済ませてよい。1泊

価格は同じ日程でも動くので、上の表には入れていません。空室と当日の価格はアゴダでシェムリアップ市内の宿を見ると、通り沿いと郊外の相場の差が並んで見えます。押さえる順番は航空券、宿、アンコールパス。券は公式アプリで先に買えるので、着いてからの手続きを減らせます。

遺跡の移動と日本語ガイドをまとめて頼むなら、VELTRAでシェムリアップの現地ツアーを探すと、トゥクトゥクのチャーターとガイドを組み合わせた形が出てきます。レリーフに何が彫られているかは、説明がないと石の模様にしか見えません。ガイド代は、その差額を買う費目です。

この旅行でかかる費用

前提: 大人2人・3泊5日・乗り継ぎ便で往復。航空券は便と時期で幅が大きすぎるため総額から外し、宿と食事も同じ日程で動くので入れていません。トゥクトゥクのチャーターとガイド料、観光ビザ、湖のボート券は公式に額が公表されていないので表に置けません。並べたのは、政府の事業者が額を公表しているものだけです。

支払い単位支払先2人分備考
アンコールパス3日券 ×2人Angkor Enterprise124 米ドル大人 62ドル・発行日から7日以内に3日分・50か所以上に入場
1日券 ×2人(遺跡を1日に絞る場合)同上74 米ドル大人 37ドル・当日限り。2日回るなら3日券のほうが1人12ドル安い
ベンメリア1日券 ×2人(足す場合)同上20 米ドル大人 10ドル・アンコールパスとは別券
コーケー1日券 ×2人(足す場合)同上30 米ドル大人 15ドル・10か所以上に入場・6:00〜18:30
チョンクニアスのボート同上(窓口のみ)額は非公表オンライン販売なし。小型・中型・大型から窓口で選ぶ
合計(この行程で必ず払うもの)124 米ドル約19,050 円(1米ドル=153.61円)

上表の料金はすべて 確認日 2026-09-14 時点の公式表示。円換算は同日の実勢相場(1米ドル=153.61円)による。

額が読める費目がアンコールパスしかない、というのがこの旅行の特徴です。トゥクトゥクのチャーターもガイド料も観光ビザも湖のボートも、公式に料金表が出ていません。旧来の見積もりが「食事・トゥクトゥク・ガイドで1.5〜2.5万円」と1万円の幅を持たせていたのは、この不確かさの反映でもあります。

時間のほうも積んでおきます。DAY 2 は4時台に宿を出て5時の開門、朝日が終わるのが6時台。そこからアンコール・トムへ移動して午前を使い、昼にいったん宿へ戻る。午後にタ・プロームへ出て、18時30分の閉門までに出ます。DAY 3 は北東25kmのバンテアイ・スレイを午前、湖を午後。券の窓口に寄る時間をこの日の午前に入れておくと、ボートの手配で待たずに済みます。

この2日で歩く量が偏るのが DAY 2 です。アンコール・ワットの回廊と中央祠堂、アンコール・トムの王都、タ・プロームの参道を1日でつなぐので、朝日から数えると実働が12時間を超えます。昼に宿へ戻る2時間を行程に入れているのはそのためで、ここを削ると午後のタ・プロームが素通りになります。

券の買い方だけは固められます。有効な券を売っているのはロード60の公式窓口と公式のオンライン経路だけで、それ以外で買った券は無効だと明記されています。宿やトゥクトゥクの運転手が「代わりに買ってくる」と言う場面があっても、公式のガイド経由でなければ券が使えない可能性が残ります。

表に入れていないのが通信費です。遺跡の間を移動しながら地図と配車を使う行程なので、着いたその足で繋がっている状態にしておくほうが早い。人数ごとの分岐点はeSIMとレンタルWiFiの積算にまとめてあり、グローバルWiFiで受取方法と補償の条件を見ると、その差が実額で確かめられます。

この行程が向かないのは、朝4時台に起きるのが無理な人です。開門が5時で、朝日を見る前提の行程なので、そこを外すと日中の暑い時間に歩く量が増えます。私は、朝日を1回だけ入れて残りを昼の回廊に振るほうが、3泊の体力配分としては現実的だと見ています。同じ東南アジアで遺跡を主題にするならバンコク4泊6日のモデルプラン、世界遺産の街並みと海を分けるならダナン&ホイアン4泊6日のモデルプラン、日数を伸ばして山と海に振るならバリ島5泊7日のモデルプランが近い作りです。

出典: アンコール考古公園(angkorenterprise.gov.kh)・カンボジア出入国管理総局(immigration.gov.kh / arrival.gov.kh)・カンボジア外務国際協力省(mfaic.gov.kh)・シェムリアップ・アンコール国際空港(sai-airport.com)・在日本カンボジア王国大使館 政府観光局の各公式サイト / 確認日 2026-09-14 / アイキャッチ写真: Bjørn Christian Tørrissen/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

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