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夕暮れに照明が入ったビッグ・ベンとウェストミンスター宮殿、手前はウェストミンスター橋の光跡
モデルプラン公開 更新日

ロンドン4泊6日モデルプラン⁠|ビッグ・ベン・大英博物館・マーケットを満喫する旅

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目次10項目
  1. 旅程表
  2. DAY 1 改札の作法を初日に決めておくと、残り4日の交通費が動かない
  3. DAY 2 衛兵交代は月・水・金しかない。出発日の曜日がここで効く
  4. DAY 3 無料の博物館と37ポンドの城塞を、同じ日に押し込む
  5. DAY 4 市場は曜日で品も閉店時刻も変わる
  6. DAY 5-6 4泊6日で丸1日使えるのは、結局3日しかない
  7. 定番のナショナル・ギャラリーとテート・モダンを外した理由
  8. 旅程の変更案
  9. 宿泊エリアの選び方
  10. この旅行でかかる費用
2人分の入場料と市内交通費(航空券・宿・食事を除く)247.40ポンド内訳は末尾の表

ロンドン4泊6日を、ウェストミンスター・博物館と城塞・マーケットの3日に割ります。地上の実費は2人で247.40ポンド、1ポンド207.65円なら約51,400円。この行程を縛るのは料金より曜日で、衛兵交代が月・水・金、バラ・マーケットが月曜休みという2つが出発日を決めます。

旅程表

午前午後夜
DAY 1機内ヒースロー着 → 宿へ近所のパブで1杯
DAY 2バッキンガム宮殿の衛兵交代ウェストミンスター寺院ロンドン・アイ
DAY 3大英博物館ロンドン塔タワーブリッジを渡る
DAY 4バラ・マーケットカムデン・マーケットパブ飯
DAY 5-6買い物・アフタヌーンティー空港へ機内泊 → 翌日着

DAY 1改札の作法を初日に決めておくと、残り4日の交通費が動かない

動線の意図: 初日は時間指定のある施設を入れない。入国と移動と支払い手段の段取りだけ済ませ、夜は歩いて行ける範囲に収める。

イギリスはシェンゲン圏の外にあります。日本国籍は観光の滞在にビザが要りませんが、渡航前にETA(電子渡航認証)を取っておく必要があります。料金は20ポンド。有効期間は2年か、パスポートの失効日の早いほうまでで、その間は渡航回数に制限がありません。申請はGOV.UKの公式ページか専用アプリから。

空港から市内へ入ったら、最初にやることは切符を買うことではありません。オイスターカードを買わなくても、日本で使っているタッチ決済対応のクレジットカードやスマートフォンをそのまま改札に当てられます。運賃も1日の上限額も、オイスターと同じ扱いになります。

ここで1つだけ守るべき規律があって、それは同じ端末で通し続けることです。往路をカード、復路をスマートフォンのウォレットに切り替えると、別々の利用者として計算され、1日の上限が効かなくなります。2人旅なら1枚のカードで2人ぶんをまとめて当てることもできません。改札は1人1タッチです。

その上限額が、ロンドンの交通費の構造をほぼ決めています。

支払い方価格適用範囲向く人
1日上限(ゾーン1-2)8.90 ポンド地下鉄・バス・鉄道の通し。ピークもオフピークも同額1日に地下鉄を3回以上使う人
週(月〜日)上限44.70 ポンド同じゾーン1-2・月曜から日曜の通し月曜起点で7日滞在する人
バス・トラム 1回1.75 ポンド全ゾーン均一。1時間以内の乗り継ぎは追加運賃なし地下鉄を使わない日
バス・トラム 1日上限5.25 ポンド同上(週上限は24.70ポンド)地上から街を見たい人

ロンドンの地下鉄には、月曜から金曜(祝日を除く)の06:30〜09:30と16:00〜19:00というピーク時間帯があり、その外はすべてオフピーク運賃です。土日祝は終日オフピーク。ところがゾーン1-2の1日上限は、ピークでもオフピークでも8.90ポンドで変わりません。つまり1日に3回以上乗って上限に届く日は、何時に動いても総額が同じになります。時間帯をずらして運賃を浮かせられるのは、乗車が2回以下で終わる日だけです。

例外がヒースロー絡みで、ゾーン1を通って空港へ出入りする地下鉄とエリザベス線は、時間帯にかかわらずピーク運賃として扱われます。朝の便に合わせて早く出ても、ここは安くなりません。

電源は230V、プラグはGタイプ(BS 1363)の3ピン角形です。日本の2ピンはそのまま挿さらないので変換プラグが要ります。スマートフォンとカメラの充電器はたいてい240Vまで対応しているため、変圧器までは要りません。どちらが必要かの線引きは変換プラグと変圧器の違いで分けています。

時差は夏時間の期間(3月最終日曜から10月最終日曜)が8時間、冬が9時間。日本を昼に出ると、時計の上では飛行時間ぶんが戻るので同じ日の夕方にロンドンへ着きます。初日の夜は3時間ほど残る計算です。

その3時間は、宿の近所のパブで終わらせるのがいちばん無駄がない。パブはカウンターで注文して先に払う方式なので、チップの習慣がありません。座って待っていても誰も来ないので、最初の1杯は自分で取りに行きます。

DAY 2衛兵交代は月・水・金しかない。出発日の曜日がここで効く

動線の意図: 11時開始の衛兵交代を軸に据え、午後は時間指定のない寺院、夕方は日没に合わせた観覧車を置く。

バッキンガム宮殿の衛兵交代(Changing the Guard)は毎日ではありません。実施しているのは陸軍の近衛部隊で、King’s Guard の基本パターンは月曜・水曜・金曜です。ウィンザー城の衛兵は火・木・土なので、ロンドンの曜日と混ざらないように。

午前: 11時に着くと、もう柵は埋まっている

バッキンガム宮殿の正面とヴィクトリア記念碑
バッキンガム宮殿。手前のロータリーに立つのがヴィクトリア記念碑で、この階段が一段高い。 写真: Diliff(CC BY-SA 3.0)
バッキンガム宮殿の衛兵交代10:15 から1時間30分

見どころ: 赤い制服と黒い熊毛帽の近衛兵が、軍楽隊の演奏に合わせて宮殿前庭で交代します。儀式そのものは10:45に始まり、45分ほど続きます。宮殿に着く前の段階から動いていて、ウェリントン・バラックスを出るのが10:30、宮殿に入るのが11:00という流れです。

実用tip: 柵の正面は最前列を取れないと何も見えません。ヴィクトリア記念碑の階段は一段高く、後ろからでも隊列が追えるので、ここを狙うなら10時台の前半には現地にいる逆算になります。人混みを避けるなら、ウェリントン・バラックスやセント・ジェームズ宮殿から行進してくるルート沿いで待つ手もあります。荒天のときは中止になることがあり、当日の告知を見てから宿を出るほうが行程を組み替えられます。

実施日
月・水・金(King’s Guard の基本パターン)
時刻
ウェリントン・バラックス 10:30 / バッキンガム宮殿 11:00
見物料
0 円
最寄り
地下鉄 Green Park 駅 / St James’s Park 駅

宮殿の内部(State Rooms)は夏のあいだだけ開きます。2026年の公開期間は7月9日から9月27日まで。State Rooms と王室厩舎とキングス・ギャラリーをまとめたセット券「Royal Day Out」は事前65.70ポンド、当日券が69.30ポンド、18〜24歳は42.70ポンド、5〜17歳は32.80ポンドです。2人で131.40ポンドが上乗せになるので、この行程では外観だけにしています。

ここで曜日の話に戻ります。DAY 4のバラ・マーケットは月曜が休みで、DAY 2の衛兵交代は月・水・金しかない。DAY 1が日本を発つ日、DAY 2がその翌日、DAY 4が3日後という関係で並べると、出発曜日ごとの成否がそのまま出ます。

日本を発つ曜日DAY 2 衛兵交代DAY 4 バラ・マーケット判定
月曜火曜・なし木曜・10:00〜17:001つ落ちる
火曜水曜・実施金曜・10:00〜17:00そのまま成立
水曜木曜・なし土曜・9:00開場1つ落ちる
木曜金曜・実施日曜・16:00閉場そのまま成立
金曜土曜・なし月曜・休み2つ落ちる
土曜日曜・なし火曜・10:00〜17:001つ落ちる
日曜月曜・実施水曜・10:00〜17:00そのまま成立

いやなのは金曜発です。週末に有給を1日足すと自然に金曜の便になりますが、その並びだけが2つとも落ちます。社会人がいちばん取りやすい日が、この行程にとっていちばん弱い日という構図です。

金曜発しか取れないなら、DAY 2とDAY 4の中身をそっくり入れ替えます。DAY 2(土)にバラ・マーケットへ行けば9時開場の週末の顔が見られますし、DAY 4(月)に大英博物館とロンドン塔を回せば、どちらも月曜に休みがありません。衛兵交代はDAY 3(日)かDAY 5(火)へ送るか、月・水・金に当たらなければ諦める。入れ替えで失うものはほとんどないので、券を取ってしまった後でも順番で吸収できます。

午後: ウェストミンスター寺院は9月に入ると3.87ポンド上がる

ウェストミンスター寺院13:00 から2時間

見どころ: 歴代の王が戴冠し、いまも国家の式典が行われている現役の教会です。身廊の床には詩人や科学者の墓標が敷き詰められていて、歩くこと自体が名前をたどる行為になります。宮殿と国会議事堂から歩いて数分の距離にあるため、午前の衛兵交代からそのまま続けられます。

実用tip: 入場料は時期で動きます。9月2日から30日は大人31ポンド、その直前の6月25日から9月1日は27.13ポンドでした。日曜は礼拝のためだけに開き、観光としての入場はできません。平日の最終入場が15:30、土曜は15:00で、午後に別の予定を挟むと間に合わなくなります。

入場料
大人 31 ポンド / 65歳以上・学生 28 ポンド / 6〜17歳 14 ポンド / 5歳以下 無料
開館
平日 9:30〜16:30(最終入場 15:30) / 土 9:00〜16:00(最終入場 15:00) / 日は礼拝のみ
最寄り
地下鉄 Westminster 駅

同じ区画に建つ国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)にも入れます。90分のガイドツアーが事前予約で大人40ポンド、当日券は43ポンド。16〜24歳は30ポンド、5〜15歳は20ポンドです。音声ガイドで自分のペースで回る形式なら31ポンドから。無料の「Inside UK Parliament」というツアーもありますが、こちらは英国居住者限定で、地元選出の議員を通して申し込む仕組みになっています。旅行者は有料の側だけです。

ビッグ・ベン、つまりエリザベス・タワーの中に登るツアーは別枠で、大人55ポンド、11〜17歳が35ポンド。11歳以上という年齢制限があり、334段の螺旋階段を最大90分かけて上ります。エレベーターはありません。券は3か月前の毎月第2水曜10:00に一斉に出るので、入れたいなら航空券より先にこの日付を見ることになります。

夕方: ロンドン・アイは日没の30〜60分前に乗ると2つの景色が取れる

テムズ川沿いにそびえる観覧車ロンドン・アイ
ロンドン・アイ。テムズ川の南岸、サウスバンクに立つ。 写真: Khamtran(CC BY-SA 3.0)
ロンドン・アイ日没の45分前から1時間

見どころ: 32個のポッドが1周30分かけて回ります。対岸に国会議事堂とビッグ・ベンが正面から見える高さで、日中はシティの高層ビル群まで見渡せます。1周の時間が固定なので、変えられるのは何が見えるかのほうだけです。

実用tip: 日没の30〜60分前の枠を取ると、昼の景色から夕景、灯りが入り始めるところまでが1周で続きます。ロンドンは緯度が高く、夏は21時を過ぎても明るく、冬は16時前に暗くなる。「夕方に乗る」という決め方は当てになりません。訪問日の日没時刻を先に調べて、その30〜60分前の枠を押さえます。

入場料
大人 オンライン 29 ポンドから / 当日窓口 39 ポンド / 2〜15歳 26 ポンドから
ファストトラック
49 ポンドから(当日窓口 54 ポンド)
所要
1周 30 分
最寄り
地下鉄 Waterloo 駅 / Westminster 駅

冬に行くなら、日没が早いことはむしろ都合がいい。16時台に夜景まで見終われば、そのあとの夜がまるごと残ります。逆に夏は、夜景を待つだけで21時を回り、夕食が押します。

ただし冬の日程では、この配置に無理が出ます。ウェストミンスター寺院の最終入場が15:30、12月の日没が16時前後なので、寺院を出てすぐロンドン・アイへ走る形になる。冬に行くなら寺院を午前へ、衛兵交代をDAY 3へ回すほうが現実的です。

DAY 3無料の博物館と37ポンドの城塞を、同じ日に押し込む

動線の意図: 開館10時の大英博物館を午前に当て、最終入場16:30のロンドン塔を午後に置く。夜は無料で見られる橋で締める。

この日の2か所は、曜日を気にしなくていい枠です。大英博物館の休館は12月24日から26日の3日だけ、ロンドン塔には休館日がありません。曜日で崩れるDAY 2とDAY 4のあいだに、崩れない日を挟んでいる形になります。

午前: 大英博物館は3つに絞れば2時間で出られる

大英博物館とガラス屋根のグレート・コート
大英博物館。中央の円形建物を覆うガラス屋根がグレート・コート。 写真: Luke Massey & the Greater London National Park City Initiative(CC BY 2.0)
大英博物館10:00 から2時間

見どころ: 常設展示が無料で、ロゼッタ・ストーン、パルテノン神殿の彫刻、エジプトのミイラが同じ建物に収まっています。中庭を覆うグレート・コートのガラス屋根は、入ってすぐの広場そのものが見どころです。展示は8つの部門にまたがるので、通しで見ようとすると1日では終わりません。

実用tip: 無料のタイムチケットを取っておくと優先で入れますが、予約なしの当日入場もできます。金曜だけ20:30まで延びるので、ほかの予定が詰まっている日程なら金曜の夜に回す手もあります。無料であるぶん入口の手荷物検査に列ができやすく、昼前後がその山になります。

入場料
常設 0 円(特別展のみ有料)
開館
毎日 10:00〜17:00 / 金曜のみ 20:30 まで
休館
12月24日〜26日のみ
最寄り
地下鉄 Tottenham Court Road 駅 / Holborn 駅

午後にロンドン塔が控えている以上、ここで力尽きる配分にはできません。ロゼッタ・ストーン、パルテノン神殿の彫刻、エジプトのミイラの3つに絞れば2時間で出られます。残りは次に来たときの理由にしておく。

午後: ロンドン塔は寄付を足すかどうかで3.70ポンド変わる

ロンドン塔13:30 から3時間

見どころ: 11世紀の城塞がそのまま残り、王宮・要塞・牢獄・処刑場と役割を変えてきた場所です。クラウン・ジュエル(王室の宝物)の展示室には世界最大級のカット・ダイヤモンドがあり、ヨーマン・ウォーダー(通称ビーフィーター)が案内する館内ツアーが入場料に含まれます。カラスが去ると王国が滅びるという言い伝えとともに、いまも飼育係が置かれています。

実用tip: チケットは「寄付なし」と「10%の任意寄付込み」の2本立てで、大人なら37ポンドと40.70ポンド。どちらでも入れます。クラウン・ジュエルは列だけで1時間かかることがあるので、入ってすぐそこへ向かうと後が楽です。開場は月曜10:00、火曜から土曜が9:00、日曜10:00で、最終入場16:30・閉場17:30。DAY 3が日曜か月曜に当たる出発日だと、午前の開始が1時間後ろへずれます。

入場料
大人 37.00 ポンド(寄付込み 40.70) / 5〜15歳 18.50 ポンド(20.40) / 65歳以上・学生 29.50 ポンド(32.50)
開場
月 10:00 / 火〜土 9:00 / 日 10:00(最終入場 16:30・閉場 17:30)
休館
なし
最寄り
地下鉄 Tower Hill 駅

地元のタワーハムレッツ区民は年間1ポンドで入れます。世界遺産の入場料が観光客の37分の1という設定は、この街が観光地と住宅地を同じ面積の上に重ねていることの表れでもあります。

夜: 橋は渡るだけなら無料で、跳ね上がる時刻は公表されている

テムズ川に架かるタワーブリッジ
タワーブリッジ。ロンドン塔から川沿いに歩いて数分。 写真: Colin(CC BY-SA 4.0)

ロンドン塔を出たら、川沿いに歩いてタワーブリッジへ。橋を渡るだけなら無料で、高所の通路とガラス床、機械室を見る展示だけが有料です。展示の開館は毎日9:30〜18:00、最終入場17:00。12月24日から26日は休みで、1月1日だけ10:00開場になります。

この橋は船の通航に合わせていまも跳ね上がります。回数も時刻も日によって違い、公式サイトに開橋予定(Bridge Lift Times)が日付ごとに出ています。DAY 3の午後に当たる時刻に予定があるなら、それに合わせてロンドン塔からの移動を組む。跳ね上がっている時間は数分で終わるので、偶然に任せるとまず見られません。

DAY 4市場は曜日で品も閉店時刻も変わる

動線の意図: 開場直後のバラ・マーケットを午前に当て、午後は年中無休のカムデンへ振る。夜は歩いて戻れる範囲のパブで終える。

午前: 土曜がいちばん賑わい、いちばん動けない

バラ・マーケットの屋内に並ぶ屋台と買い物客
バラ・マーケット。屋根のある通路に食料品の屋台が並ぶ。 写真: Øyvind Holmstad(CC BY-SA 4.0)
バラ・マーケット10:00 から2時間

見どころ: チーズ、パイ、生鮮、世界各国の屋台が屋根の下に詰まっています。買って歩きながら食べるだけで昼食が終わるので、この日の午前は食費の枠で回ります。ロンドン橋の南詰、サザーク大聖堂の隣という立地で、川沿いに出ればタワーブリッジまで歩けます。

実用tip: 月曜は休みです。土曜は9時開場で出店数も客足も週のうち最多になり、通路が動けないほど混みます。火曜から金曜は地元の買い物客と近隣で働く人のランチが中心で、屋台の行列が短く、店の人と話す余裕もある。日曜だけ16時に閉まるので、午前に別の予定を挟むと滞在が削られます。

入場料
0 円(買えば有料)
営業
火〜金 10:00〜17:00 / 土 9:00〜17:00 / 日 10:00〜16:00 / 月 休み
備考
祝日(バンクホリデー)とクリスマス期は変則
最寄り
地下鉄 London Bridge 駅

食べ歩きが目的なら、平日のほうが快適です。市場らしい混み方を見たいなら土曜。この2つは同時に取れません。

午後: カムデンは曜日を気にしなくていい唯一の市場

カムデン・マーケット14:00 から2時間30分

見どころ: 古着、レコード、雑貨、屋台が運河沿いの旧馬屋の区画に広がっています。店構えが通りに張り出した看板細工で埋まっていて、歩くだけで絵になる区間です。リージェンツ運河の水門がすぐ横にあり、ここからリトル・ヴェニス方面へ水上バスも出ています。

実用tip: 祝日を含めて年中無休、10:00〜19:00。DAY 4がどの曜日に当たっても、午後はここで成立します。エリアごとに時間が違い、Hawley Wharf のフードホールだけは11:30から23:00まで開いているので、夕食をここで済ませる組み方もできます。

入場料
0 円
営業
月〜日 10:00〜19:00(祝日も無休)
フードホール
Hawley Wharf 11:30〜23:00
最寄り
地下鉄 Camden Town 駅

ノッティングヒルのポートベロー・ロードを足したくなる日程ですが、この記事では曜日を断定しません。アンティーク市が土曜に立つという話は広く出回っているものの、区の公式にも市場の公式にも当たれませんでした。ついでにもう1つ。かつて市場の案内として引用されていた portobelloroad.co.uk は、いまは無関係の賭博サイトに変わっています。検索で上位に出てきても開かないでください。

夜: 伝票の合計行の上を見てから財布を出す

イギリス名物のフィッシュ・アンド・チップス
フィッシュ&チップス。白身魚のフライと厚切りのポテト。 写真: Matthias Meckel(CC BY-SA 4.0)

パブで出るものは、フィッシュ&チップス、ミートパイ、フィッシュパイあたりが中心です。日曜だけはサンデーローストが加わります。ローストビーフとヨークシャープディングと野菜を一皿に盛った定食で、日曜の昼から夕方にかけてしか出ません。DAY 4が日曜に当たる木曜発の日程なら、これが食べられる並びになります。

レストランでは伝票にサービス料(service charge)が最初から入っていることが多く、たいてい「Discretionary」(任意)と添えてあります。率は店が決めていて、公的な決まりはありません。入っているのに気づかずチップを足すと二重払いになるので、合計行の1つ上を見てから財布を出す。パブはカウンターで先に払う方式なので、この問題自体が起きません。

支払いはほぼすべてカードで通ります。現金がまったく使えない店(card only)も珍しくないので、両替に力を入れる必要はありません。マーケットの屋台でもカードが使える店が大半です。

DAY 5-64泊6日で丸1日使えるのは、結局3日しかない

動線の意図: 空港に着く時刻から逆に組む。最終日の午前に重い予定を入れず、時差の負債は帰国後へ送る。

往路は時計が戻る方向なので初日の夜が長く感じられ、復路は逆に1日を丸ごと機内で失います。日程表の「4泊6日」を実働で割り直すと、こうなります。

日程実働何に使えるか備考
DAY 1約 3 時間入国・移動・夜の1杯夕方着。入場券の要る予定は入らない
DAY 2〜4各約 12 時間ウェストミンスター / 博物館と城塞 / マーケットここが本体。1日1テーマで埋まる
DAY 5約 4 時間買い物・アフタヌーンティー午後の便なら3時間前に空港へ
DAY 60—機内泊明けの帰着
合計約 43 時間実質3日+2つの半端な日予備日は作れない

丸1日動けるのが3日で、その3日にウェストミンスター・博物館と城塞・マーケットが1つずつ入っている。予備日を作る余地がありません。だからこの行程では、無料で屋内でいつでも開いている大英博物館が予備の役を兼ねています。動かしても損が出ない予定を1つ持っておくという意味で、無料であることがそのまま保険になります。

もう1泊できるなら、足す1日はDAY 3とDAY 4のあいだです。DAY 3に大英博物館とロンドン塔を同居させている無理がここで解けて、「博物館の日」と「城塞と橋の日」に割れます。クラウン・ジュエルの列に1時間持っていかれても、博物館が駆け足にならない。DAY 1やDAY 5を伸ばしても3〜4時間しか増えないので、足すなら真ん中です。

帰りの空港へは、ゾーン1を通る地下鉄かエリザベス線で出ます。この区間は時間帯を問わずピーク運賃なので、早く出ても運賃は下がりません。荷物を預ける便なら、出発の3時間前に宿を出る計算にしてください。

定番のナショナル・ギャラリーとテート・モダンを外した理由

ロンドンは大型の美術館が軒並み無料です。ナショナル・ギャラリー、テート・モダン、ヴィクトリア&アルバート博物館。どれも常設は0ポンドで、それぞれ半日は使えます。無料なのに外すというのは、この街では説明が要ります。

理由は時間の側にあります。4泊6日で丸1日動けるのは3日だけで、その3日に博物館をもう1つ入れると、ウェストミンスターかマーケットのどちらかが落ちる。無料だから損はしないように見えて、実際には落ちた側の入場料と移動時間を捨てることになります。

館を3つ深く見たい人なら、この行程ではなく博物館の側で組み直したほうが満足度が上がります。大英博物館の金曜20:30までの延長を使えば、金曜1日で2館に入る形も作れる。ナショナル・ギャラリーはトラファルガー広場に面していて、ウェストミンスターから歩ける距離にあるので、DAY 2の午後を寺院からこちらへ替えるだけでも成立します。

タワーブリッジの展示を外しているのも同じ考え方です。橋の見どころは外観と、船が通るときに跳ね上がる瞬間で、そのどちらも橋の外から見るほうがよく見えます。

旅程の変更案

雨の日の組み替え

弱いのはDAY 2です。衛兵交代は完全な屋外で、荒天のときは中止になることがあります。ロンドン・アイの待機列も屋外で、雨雲が低い日は上がっても遠くが見えません。午前と夕方が同時に消える日になります。

振り替え先はDAY 3の大英博物館です。無料で、屋内で、12月24日から26日以外は毎日開いている。前夜の予報で判断がつくなら、DAY 2の午前をまるごと博物館へ移し、衛兵交代を次の実施日(月・水・金のうち残っている日)へ送ります。衛兵交代だけは別の日に作れないので、動かすのはこちら側ではなく博物館の側です。

DAY 4は雨にそこそこ強い日です。バラ・マーケットは屋根の下、カムデンも旧馬屋の区画と屋内のフードホールが中心で、傘を差したまま歩けます。DAY 3のロンドン塔だけは中庭と城壁を歩く時間が長く、雨だと3時間が2時間に縮みます。

便が1時間以上遅れたら

往路が遅れても、DAY 1で失うのはパブの1杯だけです。時間指定の予定を初日に置いていないので、金銭的な損は出ません。

効いてくるのはDAY 2の朝です。衛兵交代は11時開始で、いい位置を取るなら10時台の前半に現地へ入る必要があります。到着が深夜にずれ込んだ日程だと、翌朝のこの時刻に間に合わせるのがきつい。遅れの可能性を織り込むなら、衛兵交代はDAY 2ではなくDAY 3以降の実施日へ置いておくと吸収できます。ロンドン・アイの時間枠も同じで、日没の45分前という指定は前倒しが効きません。

復路側で市内を出るのが遅れると、話が変わります。ヒースローまでは市内から1時間前後、そこにチェックインと保安検査が乗ります。午前の便なら、市内を出るのは夜明け前です。

疲れた時の妥協案

最初に落とすのはDAY 4午後のカムデンです。バラ・マーケットからカムデン・タウンまで地下鉄で30分近くかかり、その往復が体力をいちばん削ります。午後をまるごと空けても、この日の主役は午前に済んでいます。

次がロンドン・アイ。2人で58ポンド浮きます。テムズ川の対岸から国会議事堂を眺めるだけなら無料で、日没の時刻を待つ必要もありません。

削ってはいけないのはDAY 2の午前です。衛兵交代は月・水・金にしかなく、同じ旅程の中で代わりの日を作れる保証がない。体力の残っている朝に当てる必要があります。この行程が向かないのは、1日に1万歩を超えると翌日に響く人です。DAY 3は大英博物館の館内を歩き、そのままロンドン塔の城壁を上り下りし、最後にタワーブリッジを渡ります。歩数を抑えたいなら、DAY 3を2日に割って5泊7日にするほうが確実です。

宿泊エリアの選び方

この行程で宿に求める条件は2つです。地下鉄の駅から徒歩圏にあること、そしてゾーン1か2の中にあること。ゾーン3以遠に出ると、1日8.90ポンドの上限が効かなくなり、毎日の交通費がそのぶん積み上がります。宿代がゾーン3で1泊2,000円安くても、2人ぶんの通し運賃で消えることがあります。

ヴィクトリア駅の周辺は、DAY 2がまるごと宿の徒歩圏に入ります。バッキンガム宮殿まで歩いて15分ほどで、10時台前半に現地へ入る逆算がいちばん楽になる地区です。空港からの鉄道も入ってくるので、到着日の移動も短い。そのぶん部屋の値段は高く、同じ設備なら東側の地区より上がります。

ブルームズベリーとキングス・クロスの一帯は、大英博物館が徒歩圏です。DAY 3の午前が宿を出てすぐ始まり、雨の日に予定を差し替えるときも移動が要らない。大学と書店が並ぶ区画で、夜は静かです。

サザーク(ロンドン橋の南側)は、DAY 4の午前が宿の目の前から始まります。バラ・マーケットまで徒歩数分、川沿いに歩けばロンドン塔とタワーブリッジにも出られる。DAY 3とDAY 4の両方が徒歩で始まる唯一の地区です。

ヴィクトリア周辺衛兵交代に10時台前半で入りたい。空港からの移動を短くしたい。ゾーン1・宮殿まで徒歩15分
ブルームズベリー・キングス・クロス大英博物館を徒歩圏に置きたい。雨の日に予定を差し替えたい。ゾーン1・博物館まで徒歩10分
サザーク(ロンドン橋南側)市場とロンドン塔を歩いて回りたい。川沿いを朝に歩きたい。ゾーン1・市場まで徒歩5分

予約の順番は、航空券の曜日、ロンドン・アイの時間枠、宿という3段階です。宿より先に曜日を見るのは、衛兵交代とバラ・マーケットが日付ではなく曜日で決まるからで、券を取ってから気づくと直せません。ビッグ・ベンの登塔を入れるなら、3か月前の第2水曜10:00という発売日がすべての前に来ます。通信の手当てはeSIMとレンタルWiFiの分岐点で人数別に分けています。

この旅行でかかる費用

前提: 大人2人、市内の移動はゾーン1〜2、有料で入るのはウェストミンスター寺院・ロンドン・アイ・ロンドン塔の3か所。大英博物館と衛兵交代と2つのマーケットは無料で、タワーブリッジは渡るだけにしています。地下鉄が1日上限に届くのはDAY 2からDAY 4の3日で、DAY 1とDAY 5は空港との往復に含めました。航空券・宿・食事と、ヒースローと市内を結ぶ運賃は総額から外しています。

支払い単位支払先2人分備考
1日上限(ゾーン1-2) ×3日 ×2人Transport for London53.40 ポンド1日 8.90ポンド・ピークもオフピークも同額
入場料 ×2人ウェストミンスター寺院62.00 ポンド1人 31ポンド(9月2日〜30日)・直前期は27.13ポンド
スタンダード券(オンライン) ×2人ロンドン・アイ58.00 ポンド1人 29ポンドから・当日窓口は39ポンド
入場料(寄付なし) ×2人ロンドン塔74.00 ポンド1人 37ポンド・10%の寄付込みなら40.70ポンド
常設展示 ×2人大英博物館0 ポンド特別展のみ有料
合計(航空券・宿・食事・空港アクセスを除く)247.40 ポンド1ポンド207.65円なら約51,400円

上表の料金はすべて 確認日 2026-09-14 時点の公式表示。為替はイングランド銀行が公表するスポットレート(2026-09-11・1ポンド207.65円)で換算。

247.40ポンドのうち、入場料が194ポンドで交通費が53.40ポンド。交通費の比率が2割台に収まるのは、ゾーン1〜2の1日上限が8.90ポンドで頭打ちになるからです。パリやローマのように1回ごとに積み上がる都市と違い、ロンドンは動いた回数が総額に響きません。

削る方向の余地は2か所です。ロンドン・アイを落とすと2人で58ポンド、ウェストミンスター寺院を外観だけにすると62ポンド。両方やれば127.40ポンドまで下がり、有料で入るのはロンドン塔だけになります。それでも行程の骨格は残る。無料の施設が骨格を支えている都市なので、削っても旅が痩せにくい構造です。

増やす方向は一気に重くなります。国会議事堂の90分ガイドツアーが2人で80ポンド、エリザベス・タワーの登塔が2人で110ポンド、バッキンガム宮殿のRoyal Day Outが2人で131.40ポンド。3つ足すと合計は568.40ポンドになり、地上の実費が倍を超えます。宮殿の内部は7月9日から9月27日の期間しか開かないので、そもそも選べる日程が限られます。

この行程が向かないのは、雨でも予定どおりに動きたい人です。DAY 2は衛兵交代もロンドン・アイも屋外で、荒天だと午前と夕方が同時に消えます。屋内で置き換えられるのは博物館だけで、それも1日ぶんしかありません。

表に入れていないのは、行程に組み込まなかったタワーブリッジの展示とバッキンガム宮殿の State Rooms、それにヒースローと市内を結ぶ運賃の3つです。所要時間は各施設の公表する開館時間から積んだ目安です。同じヨーロッパで4泊6日をもう1都市組むなら、パリ4泊6日モデルプランは美術館の休館日が行程を決め、アムステルダム3泊5日モデルプランは予約の発売日が行程を決めます。城と山を足すならミュンヘンとノイシュバンシュタイン城の4泊6日が近い規模です。

3か国をまとめて回るなら、コペンハーゲンからオスロを経てストックホルムへ鉄道で抜ける6泊7日の北欧周遊プランがあります。都市間の乗り換えと所要時間を区間ごとに並べた行程です。

出典: Household Division(衛兵交代) / Borough Market / Camden Market / Transport for London / Historic Royal Palaces(ロンドン塔) / Tower Bridge / The London Eye / The British Museum / Westminster Abbey / UK Parliament / Royal Collection Trust / GOV.UK(ETA) / Bank of England(為替・系列 XUDLJYS) の各公式サイト / アイキャッチ写真: Colin(CC BY-SA 4.0・Wikimedia Commons) / 確認日 2026-09-14

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