パリ4泊6日モデルプラン|エッフェル塔・ルーヴル・ヴェルサイユをめぐる憧れの旅
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目次9項目
パリ4泊6日を、ルーヴル・オルセー・ヴェルサイユの3館を軸に組みます。地上の実費は2人で311.90ユーロ、1ユーロ179円なら約55,800円。この行程で最初に決めるのは行き先ではなく出発曜日で、金・土・月に日本を発つと3館のどれかが休館日に当たります。
旅程表
DAY 1出発曜日を決めた時点で、この旅の中身は半分決まっている
動線の意図: 初日は移動だけで終わらせる。着いた日に予約の要る施設を入れず、宿から歩ける夜景で時差に体を慣らす。
パリで予定が崩れる最大の原因は、天気でも治安でもありません。休館日です。ルーヴルは火曜、オルセーは月曜、ヴェルサイユは月曜。3つとも公式サイトが明記していて、ここまではどのガイドにも書いてあります。問題はその先の計算で、日本を何曜日に発つかによって、この3つのうちどれが落ちるかが自動的に決まります。
この行程はDAY 2にルーヴル、DAY 3にオルセー、DAY 4にヴェルサイユを置いています。DAY 1は夕方着の移動日なので、DAY 2は出発日の翌日、DAY 3は2日後、DAY 4は3日後。3つの休館日を同時に避けられる出発曜日は、7つのうち4つしかありません。
落ちるのは月曜発・金曜発・土曜発の3つ。やっかいなのは、金曜発と土曜発が社会人のいちばん取りやすい日程だという点です。何も考えずに金曜の便を押さえると、郊外のヴェルサイユか印象派のオルセーのどちらかを丸ごと諦めることになります。
成立する4つのなかでも、火曜発と木曜発には上乗せがあります。火曜に発つとDAY 3のオルセーが木曜に当たり、オルセーは木曜だけ21時45分まで開いています(通常は18時閉館)。しかも木曜の18時以降は入場料が16ユーロから12ユーロへ下がる。木曜に発てばDAY 2のルーヴルが金曜になり、ルーヴルは水曜と金曜が21時まで。どちらも大型美術館を人の減った時間帯に回せるので、同じ4泊6日でも中身が一段濃くなります。
どうしても金・土・月発しか取れないなら、順番を入れ替えて吸収します。土曜発(DAY 3が月曜)なら、DAY 3をモンマルトルとセーヌ川クルーズだけの市内日にして、オルセーをDAY 2の午後へ移す。ルーヴルとオルセーが同じ日になりますが、どちらも「見る作品を絞って2〜3時間」の回り方なら1日に収まります。同じ考え方はロンドンでも使えて、ロンドン4泊6日モデルプランでは衛兵交代の曜日とマーケットの休みが同じ役割を果たします。ヨーロッパの短い日程を組むときは、名所を並べる前に休みを並べるほうが早い。
午後: 空港から市内へは、切符の種類が1つだけ違う
日本からの直行便は夕方にシャルル・ド・ゴール空港へ着きます。そこから市内までは、RER B線で40分前後。ここで1つだけ注意が要ります。パリの単発切符はイル・ド・フランス全域で2.55ユーロという均一運賃になりましたが、空港だけはこの対象外です。空港と市内を結ぶ切符は「Ticket Paris Région ⇔ Aéroports」という別建てで、1回14ユーロかかります。
裏を返せば、空港を跨がない移動はどこまで乗っても2.55ユーロです。ゾーンをまたぐかどうかを計算する必要はなくなりました。DAY 4のヴェルサイユもイル・ド・フランス内なので、RER C線に2.55ユーロで乗れます。1日券のNavigo Jourは12.30ユーロで、単発5回ぶん(12.75ユーロ)を超える日だけ得になります。この行程で1日5回以上メトロに乗る日はないので、単発を都度買うほうが安く済みます。
入国の手続きも、この2年で変わりました。日本国籍はシェンゲン協定により180日間で90日までビザが要りませんが、EESと呼ばれる出入国システムが2026年4月10日に全面運用へ入り、入国時に指紋と顔写真の登録が実際に発生します。ETIASという電子渡航認証は2026年第4四半期の開始が予定されていて、開始日は欧州委員会がまだ公表していません。渡航が年末に近いなら、予約の前に開始済みかどうかだけ見てください。
夜: 塔に登らず、トロカデロから全景を見る
宿に荷物を置いたら、その足でエッフェル塔へ。ただしこの日は登りません。時差と移動でいちばん判断力が落ちている時間に、36.70ユーロの最上階チケットを使うのはもったいない。
見どころ: 高さ330メートルの塔は、日没後に金色のライトアップへ切り替わり、毎正時から5分間だけ白く点滅します。シャンパンフラッシュと呼ばれるこの5分は、季節によって深夜0時か1時まで繰り返されます。トロカデロ広場はセーヌを挟んだ対岸の高台にあり、塔の足元から先端までが一枚に収まる数少ない場所です。登るのはDAY 5に回し、初日は全景だけ見ます。
実用tip: 毎正時の5分前に広場の階段の上段を確保しておくと、点滅が始まってから場所を探さずに済みます。地上から見るぶんには料金はかかりません。
- 最寄り
- メトロ Trocadéro 駅
- 展望台の料金
- 最上階エレベーター 36.70 ユーロ / 第2展望台エレベーター 23.50 ユーロ / 第2展望台まで階段 14.80 ユーロ
- 営業
- 9:30〜23:00(最終登塔22:45)
階段で第2展望台まで上がると14.80ユーロで、エレベーターの23.50ユーロより9ユーロ近く安い。ただし670段あります。最上階まで行きたいけれど費用を抑えたい場合は、第2展望台まで階段で上がってそこからエレベーターに乗り継ぐ28.00ユーロという選択肢もあります。
DAY 2ルーヴルから凱旋門へ、1号線で東から西へ抜ける
動線の意図: メトロ1号線がルーヴル・コンコルド・シャンゼリゼ・凱旋門を一直線に結ぶ。乗り換えを作らず、午後は歩いて距離を稼ぐ。
パリの中心は、メトロ1号線に串刺しにされています。Palais Royal – Musée du Louvre、Concorde、Champs-Élysées – Clemenceau、Charles de Gaulle – Étoile。この日に使う駅はすべてこの路線の上にあり、乗り換えが1回も要りません。午前に美術館、午後に凱旋門とシャンゼリゼ、という並びが自然に決まります。

朝食はホテルで取らず、宿の近くのブーランジェリーで買うのが安く済みます。クロワッサンとカフェで済ませて、開館時刻に合わせて動くほうが、この日は時間の使い方がよくなります。
午前: ルーヴルは日本人だと32ユーロ、作品を3つに絞る
ルーヴルの入場料には、知らないと予算がずれる仕掛けがあります。一般料金は22ユーロと表示されていますが、これは欧州経済領域(EEA)に住んでいる人の価格です。域外からの来訪者は32ユーロ。日本から行く場合は32ユーロのほうで、オンラインでも窓口でも同じ額です。2人なら64ユーロになり、この行程の入場料でいちばん重い項目になります。

見どころ: モナ・リザ、ミロのヴィーナス、サモトラケのニケ。この3つを先に押さえてから残りを歩くのが、限られた時間での定石です。全部を見ようとすると1日でも足りません。ドゥノン翼にモナ・リザとニケ、シュリー翼にヴィーナスがあり、この2翼だけで2〜3時間が埋まります。
実用tip: 予約は必須ではありませんが推奨されています。18歳未満は国籍を問わず無料。毎月第1金曜の18時以降も無料になります(7月と8月を除く)。
- 入場料
- EEA域外の一般 32 ユーロ / EEA居住者 22 ユーロ
- 休館
- 火曜
- 開館
- 9:00〜18:00(水曜と金曜は21:00まで・最終入場は閉館1時間前)
- 最寄り
- メトロ1号線 Palais Royal – Musée du Louvre 駅
水曜か金曜に当たった人は、朝ではなく夕方に入るという選び方もできます。21時まで開いているので、午後の凱旋門を先に済ませて、日が傾いてから美術館へ入る。閉館前の2時間は人が目に見えて減ります。ガラスのピラミッドを正面から撮りたいなら、この時間帯のほうが人影が入りません。
午後: 凱旋門は水曜だけ6ユーロ安い
凱旋門の屋上は、4月から9月のあいだ22ユーロ。ただし水曜だけ16ユーロに下がります。冬(10月から3月)は全日16ユーロなので、値引きがあるのは夏の水曜だけということになります。2人なら12ユーロの差で、これは市内のメトロ4回ぶんに当たります。

見どころ: 高さ50メートルの門の屋上から、12本の大通りが放射状に伸びるのが見下ろせます。パリの街路が星形に設計されていることが、地図ではなく実景で分かる場所はここだけです。広場は環状の車道に囲まれていて、地上を横断する道はありません。入口は地下道です。
実用tip: 4月から9月は23時まで開いています。エッフェル塔のシャンパンフラッシュを高い位置から見たいなら、この時間帯に登ると塔の全体が点滅するのを正面から見られます。
- 入場料
- 4〜9月 22 ユーロ(水曜は 16 ユーロ) / 10〜3月 16 ユーロ
- 開館
- 水〜月 10:00〜23:00 / 火 11:00〜23:00(冬は22:30まで・最終入場は閉館45分前)
- 最寄り
- メトロ1号線 Charles de Gaulle – Étoile 駅
見どころ: 凱旋門からコンコルド広場まで、およそ2キロの下り勾配です。歩いているだけで1時間半が過ぎ、そのまま次のメトロ駅に着きます。上り方向に歩くと同じ距離でも疲れ方が違うので、凱旋門を先にしてから下る順番にしています。
実用tip: 通りの南側(セーヌ側)は午後に日陰ができます。夏の午後は北側を歩くと日差しを正面から浴び続けることになります。
- 距離
- 凱旋門からコンコルド広場まで約2キロ
- 料金
- 0 円
夕食はコンコルド広場の周辺で取ります。パリのビストロは19時台だと客がまばらで、20時を過ぎてから混み始めます。予約を取っていないなら19時台に入るほうが確実です。ステーキフリット(ステーキとフライドポテト)は多くの店にあり、量と値段の読みやすさで言えばいちばん外しにくい注文です。
DAY 3丘から下りて、印象派を見て、川に乗る
動線の意図: 坂の多いモンマルトルを体力のある午前に置き、午後は平地の美術館、日没に川へ。高いところから低いところへ一日かけて下る。
この日は標高が下がっていきます。朝は市内でいちばん高い丘、午後はセーヌ左岸の美術館、夕方は川面。逆順に組むと、疲れた足で石畳の坂を登ることになります。
午前: サクレクールの中は無料、ドームだけ8ユーロ

見どころ: 丘の上の白い聖堂で、正面の階段からパリの街が南へ広がります。聖堂の内部は無料で入れます。有料なのはドームに登る部分だけで、8ユーロ。280段の螺旋階段でエレベーターはなく、予約もできません。当日その場で払う形です。
実用tip: ドームは10時30分から。聖堂自体は6時30分に開くので、人の少ない時間に中へ入り、ドームが開くのを待って登る組み方ができます。正午前後は係員の休憩でドームが一時閉まります。
- 入場料
- 聖堂 0 円 / ドーム 16歳以上 8 ユーロ
- 開館
- 聖堂 6:30〜22:30(年中無休) / ドーム 10:30〜20:45(最終入場20:15)
- 最寄り
- メトロ Anvers 駅から徒歩と登り坂
周辺の石畳には、似顔絵描きが集まるテルトル広場やカフェが並びます。丘の上まではケーブルカーもありますが、登りの坂そのものが街の見どころなので、行きは歩いて帰りに乗るのが妥当です。足に不安があるなら逆でも構いません。
午後: オルセーは木曜だけ4ユーロ安くなる
見どころ: モネ、ルノワール、ゴッホ、ドガ。印象派の主要な画家がこの1館にまとまっています。建物はもともと1900年開業の駅舎で、中央ホールの大時計の文字盤越しにセーヌ対岸を見る眺めが撮影の定番です。ルーヴルより小さいので、2時間半あれば主要な階を回りきれます。
実用tip: 木曜だけ21時45分まで開き、18時以降に入ると入場料が16ユーロから12ユーロに下がります。火曜発の日程だとDAY 3がちょうど木曜に当たるので、この時間帯を使えます。
- 入場料
- 一般 16 ユーロ(木曜18時以降は 12 ユーロ)
- 休館
- 月曜
- 開館
- 9:30〜18:00(木曜は21:45まで・最終入場21:00)
- 最寄り
- RER C線 Musée d’Orsay 駅
ルーヴルとオルセーを同じ日にまとめたくなる人がいますが、この行程では分けています。理由は単純で、大型美術館を1日に2つ入れると後半の1館がほとんど頭に残らないからです。分ければ午前と午後に別の街の顔を挟めます。2日に分けることで浮くのは時間ではなく集中力のほうです。
夕方: 日没の時刻にクルーズを合わせる

見どころ: 船からエッフェル塔、オルセー、シテ島のノートルダム大聖堂の外観が続けて見えます。オルセーは川沿いなので、美術館を出てそのまま乗り場へ歩けます。1時間で市内の主要な川岸を一周する形になり、歩き疲れた3日目の夕方に座って街を見る時間が作れます。
実用tip: 出航時刻を日没の30分前に合わせると、明るいうちに出て暗くなってから戻る流れになります。日没時刻は季節で3時間以上動くので、予約の前にその日の日没を調べてから便を選びます。
- 乗り場
- オルセー美術館の川沿い、またはエッフェル塔の足元
- 所要
- 約60 分
クルーズの運賃は運航会社と季節で変わるため、末尾の費用表には入れていません。乗る前提で予算を組むなら、1人あたり2,000〜3,000円の枠を別に見ておいてください。現地発の観光チケットはVELTRAで日付と時間帯を指定して押さえられます。
DAY 4ヴェルサイユは「宮殿だけ」の券が2026年に消えた
動線の意図: 郊外へ出る日は1つしか入れない。午前に宮殿、午後に庭園とトリアノン、夕方に市内へ戻る。
ヴェルサイユのチケットは2026年1月14日に作り直されました。いちばん大きい変更は、宮殿だけを見る単体チケットが料金表から消えたことです。公式サイトは「宮殿の見学を含む唯一のチケットはパスポート」と明記しています。以前の記事や古いガイドが「宮殿だけなら安く入れる」と書いていても、今は成立しません。

見どころ: 17のアーチに357枚の鏡が並ぶ「鏡の間」が中心で、庭園側の窓から入る光が全面に反射します。王の居室と礼拝堂も同じ動線の上にあり、宮殿内部だけで2時間前後。開館直後の1時間は、昼前より人の密度が明らかに低くなります。
実用tip: 4月から10月は35ユーロ、11月から3月は25ユーロ。16時以降に入る夕方割引が28ユーロであります。18歳未満は無料ですが、無料でも時間枠の予約が要ります。
- 入場料
- パスポート 4〜10月 35 ユーロ / 11〜3月 25 ユーロ(EEA居住者は3ユーロ引き)
- 休館
- 月曜、12月25日、1月1日、5月1日
- 開館
- 宮殿 9:00〜18:30(最終入場17:45) / トリアノン 12:00〜18:30 / 庭園 7:00〜20:30
- 行き方
- RER C線で約40分〜1時間、駅から徒歩約10分。運賃は市内と同じ 2.55 ユーロ
庭園の扱いも変わっています。11月から3月は無料ですが、4月から10月のうち噴水ショーと音楽の庭が開かれる日は15ユーロかかります。パスポートにはこの15ユーロが含まれているので、夏に宮殿と庭園の両方を見るならパスポート1枚で足ります。逆に冬に行くなら、庭園はただで歩けるぶん、同じ内容が10ユーロ安く済みます。
トリアノンは12時に開きます。宮殿を朝いちで見て、昼前に庭園へ出て、開いたトリアノンへ回るという順番が、開館時刻から自動的に決まる形です。庭園は端から端まで歩くと数キロあるので、プチトランやレンタサイクルを使うかどうかで午後の疲れ方が変わります。
この日は市内の観光を一切入れていません。往復の移動に2時間、宮殿と庭園で5時間前後を使うと、夕方に戻る頃には歩数がかなりのものになります。夜に予定を入れるなら夕食だけにしてください。
DAY 5-6最後の半日は、空港への逆算で決まる
動線の意図: 帰国便の出発時刻から逆に組む。荷物を持ったまま動く時間を作らない。
日本行きの直行便は昼から夕方の出発が多く、シャルル・ド・ゴール空港には2時間以上前に着いておく必要があります。市内から空港まではRER Bで40分前後、そこにチェックインと保安検査が乗ります。午前を使えるかどうかは便の時刻しだいで、13時発なら市内を9時台に出ることになり、実質的に自由時間はありません。
午前が空くなら、DAY 1に登らなかったエッフェル塔をここへ回します。最上階まで上がっても、朝いちなら1時間半で下りてこられます。荷物は宿かパリ市内の主要駅のロッカーに預け、身軽な状態で動いてください。
買い物を入れるなら、デパートが並ぶオペラ周辺かシャンゼリゼが動線として近い。免税手続きが必要な買い物は空港でも書類の処理に時間がかかるので、出発当日に高額の買い物をするのは避けたほうが無難です。
旅程の変更案
雨の日の組み替え
この行程は雨に強いほうです。DAY 2とDAY 3の主役は屋内の美術館で、雨で消えるのはシャンゼリゼの街歩きとモンマルトルの丘だけ。どちらも無料で歩く部分なので、消えても費用は動きません。
弱いのはDAY 4です。ヴェルサイユは宮殿の中を見るぶんには問題ありませんが、庭園とトリアノンは屋外で、しかも広い。雨だと午後の5時間がほぼ潰れます。夏の噴水ショーの日に雨が重なると、パスポートに含まれている15ユーロぶんを使わずに終わります。天気予報が読める段階で入れ替えられるなら、ヴェルサイユは晴れ予報の日へ寄せ、代わりに美術館の日を雨の日へ持ってくるのが素直です。
DAY 1の夜景も、雨だと成立しません。トロカデロ広場は屋根のない高台なので、傘を差して1時間立つことになります。この場合はDAY 5の夜に振り替えるか、塔に登る側へ切り替えてください。
便が1時間以上遅れたら
往路が遅れて到着が夜になると、DAY 1の夜景が丸ごと消えます。ただしこの日は予約の要る施設を1つも入れていないので、失うのは体験だけで、お金は失いません。DAY 1に美術館やクルーズの予約を入れる組み方にしていると、ここで時間指定チケットが無効になります。初日に予約を置かないのは、そのためです。
怖いのは、時間指定の予約を前倒しで買っている場合です。ルーヴル、オルセー、ヴェルサイユのいずれも入場は時間枠制で、指定した枠を過ぎると原則として入れません。往路が遅れる可能性を織り込むなら、DAY 2の入場枠は午前の早い時刻ではなく、11時以降に取っておくと吸収できます。
復路が遅れる側は、空港での待ち時間が伸びるだけで行程は壊れません。むしろ危ないのは市内を出るのが遅れるほうで、RER Bは工事や運行トラブルで止まることがあります。出発2時間前に空港へ着く逆算では足りない日があるので、荷物を預ける便なら3時間前に市内を出る計算にしてください。
疲れた時の妥協案
削る順番は決まっています。最初に落とすのはDAY 2午後のシャンゼリゼの徒歩2キロ。凱旋門からメトロで戻れば、1時間半と体力がそのまま浮きます。次がDAY 3午前のモンマルトルで、ここは丘を登る部分がいちばん足に来ます。どちらも無料の区間なので、削っても費用は変わりません。
逆に削ってはいけないのがDAY 4です。ヴェルサイユは往復の移動が固定費のようなもので、行くと決めた時点で2時間が確定します。短くできるのは滞在時間のほうだけで、宮殿だけ見て庭園を歩かずに戻れば、午後がまるごと空きます。パスポートの料金は変わらないので、その場合は冬に行くほうが割に合います。
この行程が向かないのは、1日に2万歩を超えると翌日に響く人です。DAY 3は丘の登りと美術館の立ち歩きが重なり、DAY 4は庭園を数キロ歩きます。連泊で同じ宿に留まる組み方なので荷物の移動はありませんが、歩く量そのものは減らせません。歩数を抑えたいなら、DAY 3とDAY 4のあいだに市内だけの1日を挟んで5泊7日にするほうが確実です。
宿泊エリアの選び方
この行程で宿に求める条件は1つだけです。メトロ1号線かRER C線の駅から徒歩5分圏にあること。DAY 2は1号線で東西に動き、DAY 3とDAY 4はRER Cで川沿いと郊外へ出ます。この2本のどちらかに乗れる場所なら、乗り換えが増えません。
パリの宿は、区(アロンディスマン)ごとに性格がはっきり分かれます。中心に近いほど高く、外側へ出るほど安くなりますが、安くなるぶんメトロの乗車回数が増えて時間を失う。この行程では1日9回のメトロを前提に費用を積んでいるので、駅から遠い宿を選ぶとその前提が崩れます。
オペラ周辺(2区・9区)は、1号線とRER Aの結節点に近く、デパートも徒歩圏です。夜まで人通りがあるので、クルーズから戻る時間帯でも歩きやすい。難点は価格で、同じ設備なら他区より高くつきます。マレ地区(3区・4区)は1号線の駅が複数あり、細い通りに店が並ぶ地区ですが、石畳の道が多くスーツケースを引くと音と振動がかなりのものになります。
7区はエッフェル塔とオルセーの徒歩圏で、DAY 1とDAY 3の動線が短くなります。住宅地なので夜は静かですが、夕食の選択肢は中心部より少ない。モンマルトル(18区)は宿代が中心部より落ち着いていて、DAY 3の午前がそのまま宿の周辺から始まります。ただし丘の上の宿は、荷物を持った到着日と出発日に坂を上り下りすることになります。
価格は同じ日程でも動くため、上の表には入れていません。予約の順番は航空券、宿、入場券の3つです。航空券で出発曜日が決まり、その曜日で美術館へ行ける日が決まり、最後に時間枠を押さえる。この順番が逆になると、入場券を買ってから休館日だと気づくことになります。
支払いの手段は分散させておくほうが安全です。観光地とメトロではスリと置き引きが多く、財布ごと失うと現金もカードも同時に消えます。クレジットカードは国際ブランドの違うものを2枚に分けて持つのが、現実的な対策です。通信も同じで、現地SIMとローミングのどちらを使うかはeSIMとポケットWi-Fiの比較で条件を分けています。
この旅行でかかる費用
前提: 大人2人、4月から10月のハイシーズン、凱旋門は水曜以外に当たる日程。航空券と宿と食事は、同じ日程でも価格が動くので総額から外します。並べたのは、日付が変わっても動きにくい公式料金と運賃だけです。メトロの回数はこの行程の移動から数えたもので、DAY 2が3回、DAY 3が3回、DAY 4が2回、DAY 5が1回の計9回。
上表の料金はすべて 確認日 2026-09-14 時点の公式表示。為替は欧州中央銀行の参照レート(2026-09-11・1ユーロ178.56円)で換算。
この311.90ユーロは、行程を変えないかぎり動かない部分です。上に乗るのが航空券・宿・食事の3つで、どれも自分の条件で幅が出ます。予算を詰めるときに触る先は、この時点で自動的に決まります。
幅がいちばん大きいのは航空券で、直行便と乗り継ぎ便、時期によって倍近く動きます。次が宿で、パリは区と季節で1泊の価格が大きく変わる。食事は、朝をブーランジェリーで済ませて夜だけビストロに入る組み方なら、1人1日6,000円前後に収まります。昼をカフェのテラスで取ると、同じ内容でも席料のぶん高くつきます。
入場料を下げる余地は、時期と曜日にあります。11月から3月に行けばヴェルサイユのパスポートが25ユーロになり、凱旋門も16ユーロ。2人で合計28ユーロ下がります。夏に行くなら、凱旋門を水曜に当てるだけで12ユーロ浮きます。逆に上げるとしたら、エッフェル塔の最上階(2人で73.40ユーロ)とサクレクールのドーム(2人で16ユーロ)で、この行程では両方とも任意にしています。
為替の影響も小さくありません。1ユーロ170円で組んだ予算と179円で組んだ予算では、311.90ユーロの差が2,800円ほど出ます。入場料は現地通貨で固定されているので、円安が進めば円建ての総額だけが上がる形になります。同じヨーロッパで別の都市と比べるなら、ローマ4泊6日モデルプランのほうが徒歩で回れる範囲が広く、交通費の比重が下がります。
オルセーの木曜の閉館時刻(21時45分)は、公式サイトの本体ページに到達できなかったため、予約枠が20時まで並んでいることから整合を確認した値です。ここだけは現地で入る前に公式の時刻表示を見てください。所要時間と滞在時間は、公式の開館時間と一般的な見学時間から積んだ目安です。
出典: ルーヴル美術館・オルセー美術館・ヴェルサイユ宮殿・凱旋門・サクレクール寺院・エッフェル塔・Île-de-France Mobilités の各公式サイト / 欧州委員会(EES・ETIAS) / 欧州中央銀行 参照レート / 確認日 2026-09-14








