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パスポートと搭乗券

パスポートとエールフランスの搭乗券 写真: Tony Webster/CC BY-⁠SA 2.0(Wikimedia Commons)

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海外旅行クレジットカード保険はエポス?補償額と利用条件を徹底解説

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目次9項目
  1. まず確認: 自分の旅行に保険が付いているか
  2. 何を払えば条件を満たすか
  3. 補償の内訳と、限度額の数え方
  4. 2023年10月の改定と、ゴールドとの差
  5. 保険が立ち上がる瞬間と、切れるまで
  6. 現地で病院にかかるときの手順(キャッシュレス診療)
  7. 他のカードと並べると
  8. 引っかかりやすいポイント
  9. 270万円で足りるかを、自分で判断する
疾病治療費用の限度額(エポスカード Visa付)270万円1疾病あたり。傷害治療は1事故200万円、賠償責任は1事故3,000万円

エポスカードの海外旅行傷害保険は、カードを持っているだけでは効きません。2023年10月1日以降に日本の住居を出発する旅行では、旅行代金をエポスカードで払ったときに初めて適用される利用付帯です。「旅行代金」は宿泊を伴う募集型企画旅行の代金か、公共交通乗用具の料金のどちらか。航空券や空港までの電車・バスは後者に入り、ホテル単体の支払いは入りません。

まず確認: 自分の旅行に保険が付いているか

  • 持っているのが Visa付のエポスカードである(エポスゴールドカードは補償額が別なので、後ろの表で並べる)
  • 出発する旅行が、カード発行日の翌日以降に始まる
  • 出国前に、募集型企画旅行の代金か、公共交通乗用具の料金(航空券、空港までの電車・バス・タクシーを含む)をエポスカードで払った
  • 補償が要るのは本人だけである、または同行者もエポスカード(Visa付かゴールド)の会員である
  • 旅行の期間が90日を超えない

3つ目の「旅行代金」は、エポスの定義では移動に関する代金です。ツアー料金のほか、渡航先への航空券、空港へ向かう電車・バス・タクシーの運賃が例に並び、利用金額に限りはありません。一方、個人手配のホテル代だけをエポスカードで払っても、条件は満たしません。

何を払えば条件を満たすか

支払い保険適用具体例気をつける点
パッケージツアー対象旅行会社で予約した海外旅行ツアーの代金(募集型企画旅行)—
航空券対象渡航先への航空券、海外旅行先までの乗継便の航空券—
電車対象空港へ向かう鉄道代金(定期券利用を含む)や有料特急料金(新幹線、成田エクスプレスなど)、海外で乗った電車ICカードへのチャージは、チャージしたICカードで乗った利用明細と乗車証明が要る
バス対象空港へ向かうリムジンバス・路線バス(定期券利用を含む)、海外で乗ったバス—
タクシー対象空港へ向かうタクシー、海外で乗ったタクシー—
宿泊代対象外国内・海外で個人手配した宿泊料金ホテル単体の支払いでは条件を満たさない
上記以外の交通費対象外空港までのガソリン代・高速道路料金、空港の駐車場代・空港使用料、国内外のレンタカー、帰国後に乗った公共交通機関—

Visa付のエポスカード・エポスゴールドカード共通の扱い。「ご利用のしおり」(2025年12月24日修正)に基づく。

出国前の条件は、空港までの電車やリムジンバスの運賃でも満たせます。ツアーや航空券を別のカードで払った旅行でも、空港へ向かう運賃をエポスカードで払っておけば、旅行開始から90日間が補償期間になります。ICカードへのチャージで払う場合は、チャージしただけでは足りず、そのICカードで乗車した利用明細と乗車証明が必要です。

補償の内訳と、限度額の数え方

保険の種類保険金額限度の数え方押さえどころ
傷害死亡・後遺障害最高 3,000 万円—他のカードと合算されない唯一の項目。複数枚持っても最高額が限度で按分される
疾病治療費用270 万円1疾病の限度額旅行中に別の病気にかかれば、それぞれに270万円の枠が立つ
傷害治療費用200 万円1事故の限度額ケガのほうが病気より枠が小さい
賠償責任(免責なし)3,000 万円1事故の限度額自己負担ゼロ。ホテルの備品の破損や、他人にケガをさせた場合
救援者費用100 万円1旅行・保険期間中の限度額家族が現地へ駆けつける費用。長期入院では最初に足りなくなる欄
携行品損害(免責3,000円)20 万円1旅行・保険期間中の限度額1個・1組・1対あたり10万円まで。乗車券等は合計5万円程度

Visa付のエポスカードの補償内容。引受保険会社は三井住友海上火災保険。エポスゴールドカードとプラチナカードは別の設定。

携行品損害には免責3,000円があり、カメラを壊しても1回の事故につき3,000円は自己負担です。損害額は購入額ではなく、減価償却した時価額で計算され、1個・1組・1対あたり10万円の上限もかかります。賠償責任は反対に免責がなく、他人にケガをさせた場合のほか、ホテルの客室と室内の動産、レンタル業者から直接借りた旅行用品を壊した場合が対象です。親族への賠償や仕事上の賠償、自分が使用・管理している物への損害は対象になりません。

限度額の数え方も見ておく価値があります。疾病治療費用の270万円は「1疾病の限度額」で、傷害治療費用の200万円は「1事故の限度額」。同じ旅行中に食あたりで受診して、その後に転んで骨折したら、前者は疾病の枠、後者は傷害の枠から出ます。救援者費用と携行品損害は「1旅行・保険期間中の限度額」で、しおりは保険期間を毎年10月1日から翌年9月30日までと定めています。

2023年10月の改定と、ゴールドとの差

補償項目2023年9月30日以前の出発(Visa付)2023年10月1日以降(Visa付)2023年10月1日以降(ゴールド)
適用条件自動付帯利用付帯利用付帯
傷害死亡・後遺障害最高 500 万円最高 3,000 万円最高 5,000 万円
傷害治療費用200 万円200 万円300 万円
疾病治療費用270 万円270 万円300 万円
賠償責任(免責なし)2,000 万円3,000 万円5,000 万円
救援者費用100 万円100 万円100 万円
携行品損害(免責3,000円)20 万円20 万円50 万円

エポスカードの改定のお知らせ(2023年6月19日現在の表)と、現行の「ご利用のしおり」の保険金額から作成。プラチナカードは除く。

2023年10月1日の改定で、適用条件が自動付帯から利用付帯に変わった一方、傷害死亡・後遺障害は最高500万円から3,000万円に、賠償責任は2,000万円から3,000万円に上がりました。治療費用と救援者費用、携行品損害は据え置きです。賠償責任を2,000万円とする解説は、この改定前の数字です。

ゴールドは傷害治療費用と疾病治療費用がどちらも300万円で、疾病治療費用の差はVisa付と30万円にとどまります。差が大きいのは、賠償責任と傷害死亡・後遺障害、携行品損害の欄です。

保険が立ち上がる瞬間と、切れるまで

条件保険責任期間
STEP 1カードを作るカード発行日の翌日以降に日本を出発する旅行が対象。発行日当日に出発する旅は対象外になる。
STEP 2日本を出る前に払う出国前にエポスカードで旅行代金を払った場合、旅行開始から90日間(かつ旅行期間中)が補償対象期間。
STEP 3出国後に払う場合出国後に公共交通乗用具の料金をはじめて払った場合は、支払った時から90日間(かつ旅行期間中)。現地の鉄道やバスをカードで払った時点で始まる。
STEP 4重なったときSTEP 2 と STEP 3 が重複した場合は STEP 2 が優先して適用される。
STEP 5会員資格料金を払った日と、日本を出国した日の両方で会員資格が有効であること。退会予定があるなら日付を確認する。

STEP 3 が効くのは、出国前に何も払っていなかった場合です。日本を出た後でも、現地で公共交通乗用具の料金をエポスカードで払えば、その支払いから90日間の補償が立ち上がります。ただし遡りはせず、保険の対象になる事故が起きる前にカード決済を済ませている必要があるため、着いた初日に体調を崩してからでは間に合いません。空港から市内へ向かう電車やバスをエポスカードで払う、という順番にしておくのが確実です。

現地で病院にかかるときの手順(キャッシュレス診療)

手順内容
STEP 1病院へ行く前に電話するエポスカード海外旅行保険事故受付センターは年中無休・24時間・日本語で受け付ける。滞在国ごとの無料番号は、しおりの5〜7ページに載っている。
STEP 2確認のために伝える項目氏名、滞在中のホテルか現地の連絡先、エポスカード会員番号、エポスカードの利用明細(レシート・領収書)か支払い履歴の画面、日本出国日が分かる資料(航空券・パスポートなど)、日本国内の連絡先の住所と電話番号。すべて確認が取れないと、サービスを断られることがある。
STEP 3提携病院の紹介を受ける全世界約1,600の病院ネットワークから、最寄りで適切な病院を紹介してもらう。カード会員とカード利用の確認があるので、サービスの開始までに時間がかかる。
STEP 4受診する治療費は、保険金額の範囲内で三井住友海上から病院へ直接支払われる。窓口で自己負担しなくてよいのは、保険金の対象になる治療分に限る。
STEP 5上限を超えたとき費用が保険金額を超えたときや、一部が保険の対象にならないときは、不足分とアシスタンス会社の手数料が自己負担になる。不足分を現地で払えないと、サービスを受けられない。

センターの担当者は日本語で応対しますが、手配された現地の病院の医師や看護師は、原則として日本語を話しません。会員確認のために、一時的に費用の立て替えを頼まれる場合もあります。キャッシュレス診療を使わず自分で治療費を払ったときは、診断書(治療費が30万円以下なら原則省略可)と治療費明細書、領収書を受け取り、帰国後に保険金を請求します。事故の連絡は、事故発生日から30日以内です。

他のカードと並べると

項目エポスカード(Visa付)楽天カード(一般)三井住友カード(NL・一般)
付帯の方式利用付帯利用付帯利用付帯
条件になる支払い出国前の募集型企画旅行の代金か、公共交通乗用具の料金。出国後の公共交通乗用具の料金でも立ち上がる出国前の募集型企画旅行の料金。航空券のみの購入と、公共交通乗用具の料金は条件に含まれない出国前の募集型企画旅行の代金か、公共交通乗用具(航空機・電車・船舶・タクシー・バス)の料金。出国後の決済条件は2025年10月16日出発分から廃止
傷害死亡・後遺障害最高 3,000 万円2,000 万円最高 2,000 万円
傷害治療費用200 万円200 万円50 万円
疾病治療費用270 万円200 万円50 万円
賠償責任3,000 万円3,000 万円2,000 万円
携行品損害20 万円(免責3,000円)補償なし15 万円(免責3,000円)
救援者費用100 万円200 万円100 万円

2026年10月12日に各社の公式ページで確認。楽天カードは2022年6月1日以降に旅行を始める会員向けのご利用ガイド、三井住友カードは「カード別保険金額一覧」の一般(NL)の旅行安心プランの金額。

並べた3枚では、疾病治療費用はエポスの270万円が最も大きく、楽天カードが200万円、三井住友カード(NL)が50万円です。条件の面では、出国後の公共交通乗用具の支払いでも補償を立ち上げられるのはエポスだけで、楽天カードは募集型企画旅行の料金しか認めず、三井住友カードは出国後の決済条件をやめました。携行品損害が付かないのは楽天カードですが、救援者費用は200万円と最も厚い設定です。

エポスの公式は、同種の保険が付いたカードを複数持つ場合、傷害死亡・後遺障害を除く保険金額は合算し、各カードの金額に応じて按分すると定めています。それぞれの条件を満たしたエポスと楽天カードの2枚なら、傷害治療費用は合わせて400万円、疾病治療費用は470万円です。ただし楽天カードの条件はツアー代金の支払いだけなので、募集型企画旅行を使わない旅行では、この組み合わせは成り立ちません。

引っかかりやすいポイント

家族は対象にならない

Visa付のエポスカードの海外旅行傷害保険は、本人のみが対象です。家族特約はありません。夫婦や親子で行くなら、同行者も自分のエポスカードを持っている必要があります。ただし、エポスカード(Visa付)・エポスゴールドカード会員同士であれば、代表者が旅行代金をまとめて支払うことで同伴者も保険適用になると公式に書かれています。逆に言うと、カードを持っていない同行者はどう支払っても補償の外です。子ども連れの旅行では、ここが最初に崩れます。

事故受付センターには、海外から電話できない

エポスカード海外旅行保険事故受付センターは0120-11-0101で24時間受付ですが、フリーダイヤルなので海外からはつながりません。現地で連絡するための番号は、しおりに国・地域別で載っています。出発前にその番号を控えるか、しおりのPDFを端末に保存しておく。保険金請求は事故発生日から30日以内に連絡する決まりなので、帰国後に思い出しても遅い場合があります。カードの裏面の番号だけを頼りにしていると、いちばん必要な場面で詰まります。

持病・歯科・出発前に発病した病気は出ない

疾病治療費用の対象は、旅行中か旅行終了後72時間以内に発病した病気です。持病や既往症など旅行前に発病していたもの、歯科疾病、妊娠・出産・流産とそれに基づく病気は対象外です。携行品損害も、盗難・破損・火災などの偶然の事故が対象で、置き忘れや紛失、現金、クレジットカード、定期券、コンタクトレンズなどは払われません。アシスタンスを使ったあとで保険金が出ないと分かった場合は、かかった費用がすべて自己負担になります。

2枚目のカードで増えるのは、死亡保険金ではない

同種の保険が付いたカードを複数持っている場合、傷害死亡・後遺障害保険金だけは合算されません。最高保険金額が限度になり、各カードの保険金額に応じて按分されます。それ以外の保険金、つまり治療費用・賠償責任・救援者費用・携行品損害は合算され、同じく按分される。支払保険金は損害額が上限なので、実際に使った額を超えて受け取ることはありません。カードを増やして意味があるのは治療費用の枠のほうで、死亡保障を厚くしたくて2枚目を作るのは的外れです。組み合わせの考え方はクレジットカードの複数持ちで整理しました。

270万円で足りるかを、自分で判断する

渡航先ごとの治療費の目安は、この記事では載せません。実額は国・都市・病院・症状で大きく動くためです。代わりに、判断に使える構造を3つ置きます。

1つ目は、治療費用が合算できること。エポスカードの270万円に、他社カードの治療費用の枠を足せます。2つ目は、救援者費用の100万円が合算されても薄いこと。家族が現地へ飛んで長期滞在する費用は、往復の航空券と宿泊で100万円に届きます。3つ目は、キャッシュレス・メディカルサービスが使える提携病院かどうかで、窓口での立て替えが要るかが変わること。これは金額ではなく手元の現金の問題で、使うには病院へ行く前の電話が前提です。

この3つを見て不安が残るなら、掛け捨ての海外旅行保険を上乗せする判断になります。北米・欧州への1週間を超える渡航や、同行者にカードを持たない人がいる旅行は、上乗せを考える側に寄ります。短期のアジア圏で、同行者が全員エポスカードを持っているなら、カード付帯だけで収まるかを検討できます。

付保証明書が要る渡航先もあります。留学やワーキングホリデー、一部の国の入国時に保険加入の証明を求められる場合で、エポスカードでは事故受付センターが発行し自宅へ郵送する形です。出発2週間前までに連絡するよう案内されているので、渡航先の入国条件を調べたら、その足で手配してください。

持ち物の側でも保険の対象は変わります。携行品損害は1個10万円が上限なので、高価な機材は対象外と考えたほうがいい。モバイルバッテリーの機内持ち込み容量や変換プラグと変圧器の違いのように、そもそも壊さない・持ち込めるものを選ぶほうが結果的に安い。現地の通信手段をどうするかはeSIMとレンタルWiFiの積算のほうで扱っています。

SOURCES

出典: 上の原典ブロック / 確認日 2026-10-12 / アイキャッチ: Tony Webster/CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)

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