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夜のサグラダ・ファミリア後陣とステンドグラス
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バルセロナ4泊6日モデルプラン⁠|ガウディ建築と地中海の街を満喫する旅

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目次10項目
  1. 旅程表
  2. DAY 1 空港からの切符は、乗る路線で名前も値段も変わる
  3. DAY 2 ガウディの3館は、券を取った時刻がそのまま行程になる
  4. DAY 3 旧市街は市場から入って、美術館で終える
  5. DAY 4 噴水が上がる曜日から、この4日間は逆算できる
  6. DAY 5-6 最終日は、宿泊税の精算と空港への逆算だけ
  7. 定番のカサ・ミラの内部を外した理由
  8. 旅程の変更案
  9. 宿泊エリアの選び方
  10. この旅行でかかる費用
2人分の入場料と交通費(航空券・宿・食事を除く)223.60ユーロ内訳は末尾の表

バルセロナ4泊6日を、ガウディ建築・旧市街・海と丘の3日に割ります。地上の実費は2人で223.60ユーロ、1ユーロ179円なら約40,000円。主要な建築はすべて時間枠制で、しかも券を買う順番が行程の順番をそのまま決めます。

旅程表

午前午後夜
DAY 1機内エル・プラット着 → 宿へグラシア通りの外観を歩く
DAY 2サグラダ・ファミリアグエル公園カサ・バトリョ
DAY 3ボケリア市場とランブラス通りゴシック地区と大聖堂ピカソ美術館
DAY 4バルセロネータの海沿いモンジュイックの丘魔法の噴水
DAY 5-6買い物・カフェ空港へ機内泊 → 翌日着

DAY 1空港からの切符は、乗る路線で名前も値段も変わる

動線の意図: 初日は時間枠のある施設を入れない。移動と切符の段取りだけ済ませ、夜は外観を見て歩く。

エル・プラット空港から市内へは地下鉄のL9 Sud線が通っていますが、ここで使う切符は市内の券とは別物です。空港駅の出入りには「空港専用チケット」が要り、片道5.90ユーロ。市内の単発券2.90ユーロでも、10回券のT-casualでも、空港の改札は通れません。

市内の移動に使うのはT-casualです。10回ぶんで13.00ユーロ、1回あたり1.30ユーロになります。単発券が2.90ユーロなので、5回乗った時点で元が取れる。この行程では1人あたり8回前後乗るので、T-casualが最も安くなります。ただしT-casualは記名式ではないものの1人用で、2人で1枚を回し使うことはできません。2人なら2枚買います。

切符価格使える範囲向く人
空港専用チケット5.90 ユーロメトロL9 Sud の空港駅を含む1回全員(往復で1人11.80ユーロ)
T-casual(10回券)13.00 ユーロ1ゾーン・空港駅を除く滞在中に5回以上乗る人
単発券2.90 ユーロ同上4回までしか乗らない人
Hola Barcelona 1日券18.00 ユーロ空港を含む乗り放題(オンラインは16.20ユーロ)1日に7回以上乗る日がある人

Hola Barcelonaは空港も含めて乗り放題になりますが、18.00ユーロという値段は1日に7回以上乗って初めて単発を下回ります。この行程でいちばん動くDAY 3でも乗車は4回。地下鉄を7回使う日が作れないので、買っても使い切れません。

入国の手続きは、この2年で形が変わりました。日本国籍はシェンゲン協定により180日間で90日まで観光ビザが要りませんが、EESという出入国システムが2026年4月10日に全面運用へ入り、パスポートへのスタンプに代わって指紋と顔写真が記録されます。ETIASという電子渡航認証は2026年第4四半期の開始が公表されていて、正式な開始日は数か月前に告知されることになっています。年末に近い日程なら、予約の前に開始済みかどうかだけ見てください。

電源は230V、プラグはCタイプとFタイプ。スマートフォンとカメラの充電器はたいてい240Vまで対応しているので変換プラグだけで足ります。

宿に荷物を置いたら、グラシア通りを歩くだけの夜にします。カサ・バトリョもカサ・ミラも外から見るぶんには無料で、日が落ちると照明が入る。中に入るのはDAY 2の夜なので、この日は正面に立って形だけ見ておくと、翌日の見え方が変わります。

DAY 2ガウディの3館は、券を取った時刻がそのまま行程になる

動線の意図: 時間枠が最も厳しいサグラダ・ファミリアを朝に固定し、丘の上のグエル公園を昼、日の落ちるグラシア通りを夜に置く。

この日の3か所は、どれも「何時に入るか」を先に決めさせる施設です。サグラダ・ファミリアはチケットをオンラインでしか売っていません。窓口がないので、当日その場で買うという選択肢が存在しない。グエル公園は指定時刻から30分以内に入る決まりで、遅れると券が無効になります。カサ・バトリョは窓口でも買えますが、オンラインより4〜15ユーロ高くなる。

だから予約の順番は、航空券、サグラダ・ファミリア、残りの2館、宿という並びになります。

午前: 塔に登る10ユーロを払うかどうか

サグラダ・ファミリア9:00 から2時間

見どころ: 1882年3月19日に礎石が置かれて以来、144年めの工事が続いています。内部は枝分かれする柱が森のように立ち、東側のステンドグラスが朝の光を青と緑に、西側が午後の光を赤と橙に変える。午前に入るか午後に入るかで、堂内の色がまったく違います。塔に登ると街と地中海が見渡せますが、これは基本券には含まれません。

実用tip: 基本券26ユーロ、塔付き36ユーロ。差額の10ユーロで買うのはエレベーターでの昇りと、降りの螺旋階段です。券は公式サイトのオンライン販売のみで、窓口はありません。休館日は年間を通じてありません。

入場料
基本券 26 ユーロ / 塔付き 36 ユーロ / ガイド付き 30 ユーロ / ガイド+塔 40 ユーロ
開館
4〜9月 月〜金 9:00〜20:00・土 9:00〜18:00・日 10:30〜20:00 / 11〜2月 月〜土 9:00〜18:00・日 10:30〜18:00
予約
オンラインのみ・時間枠指定
最寄り
メトロ Sagrada Família 駅

日曜だけ開くのが10時30分と遅いのは、午前中に礼拝があるからです。日曜に当たる日程だと、この日の午前が1時間半縮みます。グエル公園の時間枠を前倒しできないなら、日曜はDAY 3と入れ替えるほうが素直です。

午後: グエル公園は「無料の時間帯」が観光客には開いていない

グエル公園の入口に立つ門衛小屋とタイルモザイクの尖塔
グエル公園。門衛小屋の尖塔の向こうに市街地、さらに奥に地中海。 写真: Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
グエル公園(モニュメンタルゾーン)13:00 から1時間30分

見どころ: 有料になるのは公園全体ではなく、ガウディの造形が集まるモニュメンタルゾーンだけです。タイルモザイクのトカゲ、波打つベンチ、市街地を一望する大階段。もともとは分譲住宅地として計画され、売れずに公園になったという経緯が、住宅の区画らしい擁壁や通路の形に残っています。

実用tip: 券は9時30分から19時30分の時間枠制で、指定時刻から30分を過ぎると入れません。朝7時から9時30分の「BON DIA BARCELONA」と夜20時から22時の「BON VESPRE BARCELONA」は市民と地域パス保有者の専用枠で、観光客は入れない仕組みです。

入場料
一般 18 ユーロ / 7〜12歳・65歳以上 13.50 ユーロ / 6歳以下 0 円
販売時間帯
9:30〜19:30(時間枠指定)
休園
年中無休
最寄り
メトロ Lesseps 駅または Vallcarca 駅から坂を上る

駅から公園までは登り坂です。Vallcarca駅側にはエスカレーターが並んでいて、Lesseps駅側は舗装された坂を歩くことになります。荷物のない日なので、どちらでも問題はありません。下りはバスで戻るほうが足が楽です。

夜: カサ・バトリョは窓口で買うと最大15ユーロ高い

カサ・バトリョの波打つファサードと骨のような柱のバルコニー
カサ・バトリョ。バルコニーが頭蓋骨に見えることから「骨の家」とも呼ばれる。 写真: Rapomon(CC BY-SA 3.0)
カサ・バトリョ17:30 から1時間30分

見どころ: 外壁一面の割れタイルは、光の角度で青にも緑にも見えます。中に入ると窓枠も階段も手すりも直線がなく、吹き抜けのタイルが上階ほど濃い青になる。採光を均すための配色で、装飾ではなく設計です。屋上のドラゴンの背のような棟が、この建物の締めくくりになります。

実用tip: 料金は需要で動く方式で、一般見学は29ユーロから。早く予約するほど安く、窓口で当日買うとオンラインより4〜15ユーロ高くなります。12歳以下は無料。19時15分まで開いているので、夕方の枠が取りやすい館です。

入場料
一般見学 29 ユーロから(窓口は 4〜15 ユーロ高い)
開館
9:00〜19:15
最寄り
メトロ Passeig de Gràcia 駅

同じ通りに立つカサ・ミラも、ラ・ペドレラという名前で公開されています。こちらは一般見学が29ユーロから、17時30分以降のサンセット券が25ユーロから。2軒とも中に入ると1人58ユーロになり、この行程の入場料のなかで最も重い項目になります。

DAY 3旧市街は市場から入って、美術館で終える

動線の意図: 市場は昼前がいちばん品が揃う。そこからランブラス通りを南下して路地へ入り、日が傾いてから美術館に入る。

この日は地下鉄をほとんど使いません。ボケリア市場からバルセロナ大聖堂まで徒歩10分、大聖堂からピカソ美術館まで徒歩10分。ランブラス通りとゴシック地区が、その3点をつなぐ歩行の区間になります。

午前: 市場は日曜が休みで、そこが行程の制約になる

ボケリア市場の入口に掲げられたステンドグラスの看板
ボケリア市場。正式にはサン・ジュゼップ市場で、入口の看板にその名が残る。 写真: Didier Descouens(CC BY-SA 4.0)
ボケリア市場10:00 から1時間

見どころ: 果物、生ハム、魚介が通路ごとに固まって並びます。奥に入るほど観光客向けの串やジュースが減り、量り売りの店が増える。その場で食べられるバルも市場のなかにあり、カウンターに座ると朝から生ハムとカバが出てきます。ランブラス通りに面した入口は混むので、裏側の入口から入ると流れが早い。

実用tip: 営業は月曜から土曜の8時から20時30分で、日曜は休み。夕方は閉め始める店が出るため、品が揃っているのは昼前です。人の密度が高く、在バルセロナ日本国総領事館が窃盗被害の多い場所としてランブラス通りを名指ししている区間でもあります。

入場料
0 円
営業
月〜土 8:00〜20:30(日曜休み)
最寄り
メトロ Liceu 駅

ランブラス通りは市場から南へ1キロ弱、港のコロンブスの塔まで続きます。中央が遊歩道で、両側を車道が挟む構造。人の流れが一方向に見えて実際には双方向なので、立ち止まる人と歩く人が絶えずぶつかります。荷物は体の前に回しておくのが現実的な対策です。

午後: 大聖堂の料金は時間帯で変わる

バルセロナ大聖堂の正面と左右の双塔
バルセロナ大聖堂。正式名は聖十字架と聖エウラリア大聖堂。 写真: Mromanchenko(CC BY-SA 3.0)
バルセロナ大聖堂とゴシック地区13:30 から2時間

見どころ: 大聖堂は正面の双塔と中央の尖塔が特徴で、回廊の中庭では白いガチョウが13羽飼われています。聖女エウラリアが殉教したときの年齢にちなむ数です。周りのゴシック地区は石畳の路地が迷路状に折れ曲がり、直線の通りがほとんどない。地図を見ながら歩くより、広場に出るたびに方角を取り直すほうが早く進みます。

実用tip: 大聖堂の拝観料は時間帯で変わる方式で、昼の観光時間帯だけ寄付が求められる形になっています。公式サイトに到達できなかったため、本稿では確定した額を書きません。現地の掲示で確認してください。

入場料
時間帯により変動(公式サイト未到達のため未確認)
最寄り
メトロ Jaume I 駅

夕方: ピカソ美術館は月曜が休みで、無料枠は4日前から埋まる

ピカソ美術館は、オンラインで14ユーロ、窓口で15ユーロ。この1ユーロの差より効くのは無料枠のほうで、夏は木曜から土曜の19時から21時、冬は木曜の16時から19時が無料になります。毎月第1日曜も無料。ただしどれも予約が要り、受付は訪問の4日前の10時に開きます。

展示は初期作品が中心で、青の時代に入る前のバルセロナ時代がまとまっています。「ラス・メニーナス」の連作58点も同じ館内。ピカソが14歳から19歳をこの街で過ごしたことが、作品の並びから追える構成です。月曜は休館で、1月1日、5月1日、6月24日、12月25日も閉まります。

夕食は20時を過ぎてから。スペインの店は19時台だと厨房が動いていないことがあり、タパスのバルでも本格的に混み始めるのは21時前後です。少しずつ頼んで皿を重ねるのが流儀で、パタタス・ブラバス、トルティージャ、ピンチョス、生ハムを1皿ずつ取って、飲み物はカバかサングリア。ここは急がないほうが土地に合います。

DAY 4噴水が上がる曜日から、この4日間は逆算できる

動線の意図: 午前を海、午後を丘に置き、丘の麓で日没まで待って噴水に合わせる。上りはケーブルカー、下りは徒歩。

モンジュイックの魔法の噴水は、水曜から日曜の夜にしか上がりません。2026年の夏季は6月3日から9月27日までが公演期間で、21時30分と22時の2回。月曜と火曜は動かないので、この日が月曜か火曜になる日程だと、DAY 4の夜が空きます。

ここに市場の日曜休みと美術館の月曜休みが重なると、成立する出発曜日が絞られます。DAY 1が日本を発つ日、DAY 3が2日後、DAY 4が3日後という関係で並べると、こうなります。

日本を発つ曜日DAY 3 ボケリア市場DAY 3 ピカソ美術館DAY 4 魔法の噴水
日曜火曜・開く火曜・開く水曜・上がる
月曜水曜水曜木曜
火曜木曜木曜・無料枠あり金曜
水曜金曜金曜・無料枠あり土曜
木曜土曜土曜・無料枠あり日曜
金曜日曜・休み日曜月曜・休演
土曜月曜月曜・休館火曜・休演

落ちるのは金曜発と土曜発の2つで、しかもどちらも2か所が同時に閉まります。社会人がいちばん取りやすいのがこの2日なので、何も考えずに金曜の便を押さえると、市場と噴水を両方諦めることになる。火曜から木曜に発てるなら、ピカソ美術館の夏の無料枠(木〜土の19時から21時)がDAY 3に当たって、2人で28ユーロ浮きます。

午前: 海沿いは砂浜より遊歩道のほうが長く歩ける

バルセロネータの遊歩道とヤシ並木、奥に地中海
バルセロネータの海沿い。ヤシ並木の遊歩道が砂浜と並走する。 写真: DimiTalen(CC0)
バルセロネータの海沿い9:30 から2時間

見どころ: 砂浜そのものより、背後に伸びる遊歩道のほうが歩いて面白い区間です。ヤシ並木と自転車道が並走し、海側にはビーチバレーのコートとシャワーが点在します。北へ歩けばホテルWの帆の形が見えてきて、南はマリーナと旧倉庫街につながります。泳がなくても、朝の2時間はここで埋まります。

実用tip: 地下鉄Barceloneta駅から海までは徒歩10分ほどで、地区の中は道が細く直線です。夏の日中は日陰がほとんどないので、午前の早い時間に歩いて、昼は市場か屋内へ移るほうが体力が残ります。

入場料
0 円
最寄り
メトロ Barceloneta 駅
鶏肉と平さやいんげんが入ったパエリア
パエリア。原型のバレンシア式は魚介ではなく鶏肉と豆で作る。 写真: Jan Harenburg(CC BY-SA 4.0)

昼は海沿いのレストランで米料理を。パエリアは日本では魚介のものが知られていますが、バレンシアで生まれた原型は鶏肉とウサギ肉に平さやいんげんを合わせたものです。魚介のものはパエリア・デ・マリスコと呼び分けます。どちらも注文から炊き上がりまで20分以上かかるので、時間に追われている日には向きません。

午後から夜: 丘に上がって、麓に下りて噴水を待つ

モンジュイックは海側から見て市街地の南西にある丘で、港と街を同時に見下ろせます。上にはミロ美術館、オリンピックの競技場、頂上の城。ロープウェイとケーブルカーが通っていて、上りに使うと坂を歩かずに済みます。

日が落ちる頃に丘を下り、カタルーニャ美術館の前にある噴水の広場へ。公演は無料で、21時30分と22時の2回。水と照明と音楽が連動する仕掛けで、1回あたり20分ほど続きます。広場の階段は開始30分前から埋まり始めます。

冬に行く場合、この公演は動いていません。2026年は6月3日から9月27日までが公演期間で、それ以外の時期の実施は年によって変わります。冬の日程なら、DAY 4の夜はグラシア通りのライトアップか、ゴシック地区のバルに振り替えるほうが確実です。

DAY 5-6最終日は、宿泊税の精算と空港への逆算だけ

動線の意図: 空港へ出る時刻から逆に組む。荷物を持って石畳を引く時間を行程に入れない。

チェックアウトのときに、予約サイトの表示価格に入っていない請求が出ます。宿泊税です。カタルーニャ州の観光税は2026年4月1日から税率が変わり、そこにバルセロナ市の上乗せが加算される二階建てになっています。市の上乗せを含む合算額は、公式ページに複数年度の税率が混在していて確定した数字を確認できませんでした。予約の段階で宿に1泊あたりいくらかを聞いておくと、精算時に慌てずに済みます。

都市ごとに考え方が違うので、金額の幅は5都市の宿泊税を1泊あたりで並べた記事にまとめてあります。

空港へは往路と同じL9 Sud線で戻ります。空港専用チケットが片道5.90ユーロなので、往復で1人11.80ユーロ。市内から空港駅までは30分前後かかり、そこにチェックインと保安検査が乗ります。午前の便なら、市内を出るのは夜明け前です。

定番のカサ・ミラの内部を外した理由

グラシア通りのガウディ建築は2軒あり、多くの行程は両方の内部を入れます。この4泊6日では、中に入るのをカサ・バトリョだけにしました。

理由は2つです。1人あたり29ユーロが二重にかかること、そして見学の体験が近いこと。どちらも同じ建築家が同じ時期に同じ通りに建てた集合住宅で、順路も「住戸を見て、屋上に上がる」という同じ形をしています。2軒目に入ると、1軒目で受けた印象がそのぶん薄まる。

カサ・ミラのほうを選ぶなら、屋上の煙突群が主役になります。兵士の兜のような造形が並ぶ屋上は、カサ・バトリョの屋上より広く、歩き回れる。17時30分からのサンセット券が25ユーロからで、一般見学より4ユーロ安く、しかも日没にかかります。屋上を主目的にするなら、こちらへ入れ替えるほうが合います。

旅程の変更案

雨の日の組み替え

弱いのはDAY 4です。海沿いの遊歩道も丘の上も屋外で、噴水の広場には屋根がありません。雨だと午前も午後も夜も同時に崩れる日になります。

振り替え先はDAY 3の構成です。ボケリア市場は屋根のある市場で、ピカソ美術館も屋内。ゴシック地区の路地は建物が密集していて、雨でも傘を差したまま歩けます。天気予報が読める段階でDAY 3とDAY 4を入れ替えられるなら、そのほうが失うものが少ない。ただし市場の日曜休みと美術館の月曜休みに当たらないかだけ、入れ替える前に確認してください。

DAY 2は雨に強いほうです。サグラダ・ファミリアもカサ・バトリョも屋内で、グエル公園だけが屋外。時間枠を取り直せるなら公園を別の日へ移し、その時間をカサ・ミラの内部に充てる手もあります。

便が1時間以上遅れたら

DAY 1には時間枠のある施設を入れていないので、往路が遅れても失うのはグラシア通りの夜歩きだけです。ここは無料の区間なので、お金は失いません。

怖いのはDAY 2です。サグラダ・ファミリアもグエル公園も時間枠制で、グエル公園にいたっては指定時刻から30分を過ぎると入れません。到着が遅れる可能性を織り込むなら、サグラダ・ファミリアの枠は9時ではなく11時以降に取っておくと吸収できます。券の払い戻しはどの館も原則できないので、遅れてから取り直すことはできません。

復路が遅れる側は空港での待ち時間が伸びるだけですが、市内を出るのが遅れると話が変わります。L9 Sud線は市内中心部を経由せず、乗り換えが1回か2回入る路線です。荷物を預ける便なら、出発の3時間前に宿を出る計算にしてください。

疲れた時の妥協案

最初に落とすのはDAY 4午後のモンジュイックです。丘の上まで上がって下りるだけで3時間近く使い、しかもその大半が移動になります。噴水だけなら丘に上がらなくても麓の広場で見られるので、午後をまるごと空けても夜は成立します。

次がDAY 2のグエル公園。駅からの登り坂と園内の階段が、この行程でいちばん足に来る区間です。ここを落とすと2人で36ユーロ浮きます。

削ってはいけないのがDAY 2午前です。サグラダ・ファミリアは券がオンライン限定で、しかも時間枠制。当日の思いつきで入り直すことができない唯一の施設なので、体力が残っている朝に当てる必要があります。この行程が向かないのは、1日に1万5千歩を超えると翌日に響く人です。DAY 3は全区間が徒歩で、石畳の路地が続きます。歩数を抑えたいなら、DAY 3の午後をタクシーで区切るか、5泊7日にして旧市街を2日に割るほうが確実です。

宿泊エリアの選び方

この行程で宿に求める条件は2つです。メトロの駅から徒歩5分圏にあること、そしてスーツケースを引く区間に石畳が長く入らないこと。バルセロナは地区によって道の作りが大きく違い、同じ「駅から5分」でも荷物の負担が変わります。

アシャンプラ地区(グラシア通りの周辺)は、19世紀に碁盤目状で計画された地区です。区画の角がすべて面取りされていて交差点が広く、歩道も広い。荷物を引くのがいちばん楽な地区で、DAY 2の3か所すべてが徒歩か地下鉄1本の距離に入ります。難点は価格で、同じ設備なら旧市街より高くつきます。

ゴシック地区とラバル地区は旧市街の中で、DAY 3がまるごと宿の徒歩圏に入ります。夜も人通りがあり、バルの選択肢が最も多い。代わりに路地が細く石畳で、到着日と出発日にスーツケースの車輪が鳴ります。総領事館が窃盗被害の多い地区として名前を挙げている区域でもあるので、夜に細い路地を通る動線になるかどうかは宿を決める前に地図で見ておくほうがいい。

バルセロネータは、DAY 4の朝が宿の目の前から始まります。海沿いの遊歩道に面した立地で、地区の中は道がまっすぐ。空港からのL9 Sud線も乗り換え1回で入れます。ただし旧市街やグラシア通りへは毎日地下鉄で移動することになり、乗車回数がほかの地区より増えます。

アシャンプラ(グラシア通り周辺)荷物を引く距離を短くしたい。DAY 2のガウディ建築を徒歩で回りたい。駅から徒歩5分圏
ゴシック地区・ラバル夜もバルに歩いて出たい。DAY 3を宿の徒歩圏で完結させたい。旧市街の中心
バルセロネータ朝に海沿いを歩きたい。空港からの乗り換えを減らしたい。メトロ Barceloneta 駅圏

予約の順番は、航空券、サグラダ・ファミリアの時間枠、グエル公園とカサ・バトリョ、宿の4段階です。宿より先に入場の枠を押さえるのは、サグラダ・ファミリアの券がオンラインでしか出ないからで、枠が取れた時刻に合わせて残りの2館を並べるほうが早い。日時指定の現地チケットや体験はVELTRAで日付を指定して探せます。

支払いの手段は分けておくほうが安全です。総領事館が名指しする被害の手口は、路上で小銭やカードをばら撒いて注意をそらし、その隙にバッグから財布を抜くというもの。財布ごと失うと現金もカードも同時に消えるので、国際ブランドの違うカードを2枚に分けて持つのが現実的な対策になります。通信の手当てはeSIMとポケットWi-Fiの比較で条件を分けています。

この旅行でかかる費用

前提: 大人2人、エル・プラット空港着でメトロL9 Sud線を往復、ガウディ建築は中に入るのをサグラダ・ファミリアの基本券とカサ・バトリョの2か所、ピカソ美術館はオンライン。航空券と宿と食事は同じ日程でも価格が動くので総額から外します。地下鉄の回数はこの行程から数えたもので、DAY 2が3回、DAY 3が1回、DAY 4が3回、DAY 5が1回の計8回。

支払い単位支払先2人分備考
空港専用チケット 往復 ×2人TMB23.60 ユーロ片道 5.90ユーロ・市内の券では通れない
T-casual(10回券) ×2人TMB26.00 ユーロ1枚 13.00ユーロ・1回あたり1.30ユーロ
基本券 ×2人サグラダ・ファミリア52.00 ユーロ1人 26ユーロ・塔付きは36ユーロ
入場料 ×2人グエル公園36.00 ユーロ1人 18ユーロ・時間枠制
一般見学 ×2人カサ・バトリョ58.00 ユーロ1人 29ユーロから・窓口は4〜15ユーロ高い
入場料(オンライン) ×2人ピカソ美術館28.00 ユーロ1人 14ユーロ・窓口15ユーロ
合計(航空券・宿・食事を除く)223.60 ユーロ1ユーロ179円なら約40,000円

上表の料金はすべて 確認日 2026-09-14 時点の公式表示。為替は欧州中央銀行の参照レート(2026-09-11・1ユーロ178.56円)で換算。

223.60ユーロのうち、入場料が174ユーロで交通費が49.60ユーロ。ローマやパリと違って空港との往復が安く、その代わり建築の入場料が重くなる構図です。歩いて回れる街だから交通費が軽い、というより、地下鉄が安いから軽い。1回1.30ユーロという単価は、同じ規模の西欧の都市では低いほうです。

入場料を下げる余地は3か所あります。ピカソ美術館を無料枠に当てれば2人で28ユーロ、カサ・バトリョを外観だけにすれば58ユーロ、グエル公園を落とせば36ユーロ。全部やると合計は101.60ユーロまで下がりますが、そこまで削るとガウディ建築は内部を1か所も見ないことになります。逆に増やす方向なら、サグラダ・ファミリアの塔付き券で2人20ユーロ、カサ・ミラの内部で2人58ユーロの上乗せです。

この上に乗るのが航空券・宿・食事の3つ。いちばん動くのは航空券で、直行便と乗り継ぎ便、時期の違いで倍近く変わります。宿は地区と季節で幅が出て、食事はバルで小皿を重ねる組み方なら読みやすい。ランブラス通りに面したテラス席は席料が乗るので、同じ皿でも1本裏の路地より高くつきます。

バルセロナ大聖堂の拝観料と、バルセロナ市の宿泊税の合算額は、公式サイトに到達できなかったため確定した数字を書いていません。所要時間と滞在時間は、公式の開館時間から積んだ目安です。同じヨーロッパで4泊6日をもう1都市組むなら、ローマ4泊6日モデルプランは徒歩の比重がさらに大きく、パリ4泊6日モデルプランは美術館の休館日が行程を決めます。

出典: サグラダ・ファミリア・グエル公園・カサ・バトリョ・カサ・ミラ(ラ・ペドレラ)・ピカソ美術館・ボケリア市場・バルセロナ市(魔法の噴水)・TMB・カタルーニャ州税務局 の各公式サイト / 在バルセロナ日本国総領事館 / 欧州委員会(EES・ETIAS) / 欧州中央銀行 参照レート / 確認日 2026-09-14 / アイキャッチ写真: Jcca76/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

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