ANA特典航空券は提携航空会社によって追加徴収(燃油代・諸税)が大きく変わる
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ANAマイレージクラブで東京発シンガポール往復の特典航空券を発券する場合、必要マイル数はどちらも35000マイルですが、ANA便運航では燃油サーチャージ往復54600円を含め計70060円の現金徴収が発生します。一方、燃油サーチャージを徴収しないシンガポール航空運航便を選べば、現金手出しは諸税等の14110円のみとなり、差額は55950円に達します(2026年9月26日確認)。
まず確認: 自分は対象か
ANAのマイルを貯めて国際線の特典航空券を予約する際、多くの旅行者が「マイルさえあれば無料で飛行機に乗れる」と考えがちです。しかし実際には、航空券の発行に伴って燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)や空港使用料などの諸費用が現金で請求されます。この追加徴収のルールを理解しておく必要があります。
- ANAマイレージクラブにマイルを保有しており国際線特典航空券を検討している
- 東南アジアやハワイ、欧米など燃油サーチャージが高額な路線へ渡航する予定がある
- スターアライアンス加盟の提携航空会社(シンガポール航空など)が就航している都市を目指している
- 必要マイル数だけでなく予約完了時に決済される現金の手出し総額を抑えたい
- コードシェア便と運航会社の実態の違いを把握して座席を予約したい
上記すべてに当てはまる場合、特典航空券を予約する画面でどの運航会社を選択するかによって、旅行全体の予算が数万円単位で変わります。マイルを消費する前に、運航会社ごとの課金基準を確認することが不可欠です。とりわけ東南アジア路線では、運航会社の選定次第で現地での宿泊費数泊分に相当する現金を浮かせることが可能です。
運航会社別の追加徴収 Step
ANAのウェブサイトから提携航空会社の特典航空券を予約し、追加徴収額の違いを見極めるための手順を整理しました。
| 手順 | 確認内容と操作の要点 |
|---|---|
| 特典予約画面の選択 | ANAマイレージクラブの会員ページにログインし、「ANA国際線特典航空券」ではなく「提携航空会社特典航空券」を含む複数社検索モードを選択します。これにより、スターアライアンス加盟各社の空席を一覧で比較できます。 |
| 運航会社の確認 | 希望の区間(例えば東京⇄シンガポール)を入力して空席を照会します。検索結果に表示される便名において、「ANA運航」と記載されているか、「シンガポール航空運航」など他社運航便であるかを必ず確認します。便名がNHであっても他社運航のコードシェア便である場合があります。 |
| 支払総額の内訳確認 | 座席を選択した後の確認画面で、消費される「35000マイル」とは別に表示される「諸税・手数料等」の合計金額を確認します。ANA運航便では約70060円、シンガポール航空運航便では約14110円が表示されます。 |
| 内訳の詳細検証 | 金額をクリックして内訳を展開し、「燃油特別付加運賃」として54600円が計上されているか、あるいは0円になっているかをチェックします。シンガポール航空運航便では燃油サーチャージが0円となり、空港税等のみが請求されます。 |
| 決済と発券 | 現金の支払い額に納得した上でクレジットカード決済を実行します。発券後の運航会社変更は原則として不可となるため、この最終ステップで現金の総額を確定させます。 |
ルールの全体像: 方面別の燃油特別付加運賃一覧
ANAの公式規定における燃油特別付加運賃は、2か月ごとの改定サイクルでシンガポールケロシン市場の価格動向に連動して見直されます。2026年9月1日以降発券分における方面別の片道および往復の基準額は以下の通りです。
| 対象方面(日本発着) | 片道サーチャージ(1区間) | 往復サーチャージ | 運航会社による免除の有無 |
|---|---|---|---|
| 韓国 | 4000円 | 8000円 | アシアナ航空等との差は小額 |
| 東アジア(韓国を除く台湾・中国等) | 14300円 | 28600円 | エバー航空等で差が生じる場合あり |
| ベトナム・グアム・フィリピン | 19300円 | 38600円 | 提携社規定により一部異なる |
| タイ・シンガポール・マレーシア | 27300円 | 54600円 | シンガポール航空運航便は0円対象 |
| ハワイ・インド・インドネシア | 35800円 | 71600円 | ANA自社便では高額徴収 |
| 欧州・北米・中東・オセアニア | 49000円 | 98000円 | 長距離路線のため往復98000円の負担 |
公式規定の適用範囲には「出発地が日本または目的地が日本の旅程のANA便(他社運航のコードシェア便も対象)に適用」と明記されています。つまり、ANA便名で購入または予約したフライトについては、ANAの燃油サーチャージ表が一律に適用されます。しかし、提携航空会社特典航空券として「他社の自社便名・運航」で発券する場合、その運航会社が自社ルールとして燃油サーチャージを徴収していない路線(シンガポール航空など)では、ANAマイレージクラブ会員であっても燃油特別付加運賃が0円として扱われます。
この仕組みは、スターアライアンス加盟各社間での特典航空券の発行ルールに基づいています。特典航空券を発券する際、旅客に請求される諸税や燃油特別付加運賃は、原則として実際に運航する航空会社が設定しているルールに従って計算されます。そのため、同じANAマイレージクラブのアカウントから発券する場合であっても、選択したフライトの運航会社がどこであるかによって、最終的な決済金額に極めて大きな隔たりが生じることになります。
引っかかりやすいポイント
特典航空券の予約実務において、旅行者が陥りやすい典型的な落とし穴を整理しました。制度の文面を読むだけでは見落としがちな細部です。
コードシェア便名に惑わされて高額徴収になる
ANAの予約画面で便名が「NH」から始まるフライトを選んだ場合、実際の機材や客室乗務員が他社(シンガポール航空など)であっても、ANA便名でのコードシェア扱いとなり、ANAの燃油特別付加運賃基準(往復54600円)がそのまま適用されます。現金を節約したい場合は、必ず他社の本来の便名(SQ便名など)で表示されている枠を選択しなければなりません。
提携他社の特典座席枠はANA自社便より少ない
燃油サーチャージが0円になるシンガポール航空などの人気便は、ANAマイレージクラブ会員向けに開放されている座席枠が極めて少数に限られています。ANA自社便であれば空席があっても、提携会社枠では満席表示になっていることが頻繁にあります。日程の自由度を高く持ち、予約開始の早期に座席を確保する立ち回りが求められます。
ストップオーバーや複数都市滞在で諸税が加算される
燃油サーチャージが0円であっても、経由地で24時間を超えて滞在(ストップオーバー)したり、複数の空港を経由したりすると、空港旅客サービス施設使用料や出国税が空港ごとに加算され、最終的な現金手出し額が増加します。旅程を組む際は、寄港地ごとの諸税総額を必ず検算する必要があります。24時間以内の単純な乗り継ぎであれば諸税の加算は最小限に抑えられます。なお、直行便と経由便の運賃設定や仕組みの違いについては直行便より乗継便が安いのはなぜかでも詳しく整理しています。
運航会社の選択を誤った場合どうなるか
もし運航会社ごとの差額に気づかず、漫然とANA自社便で発券手続きを完了してしまった場合、同じ東京⇄シンガポールの往復35000マイルのフライトに対して、70060円の現金が引き落とされます。家族3人で旅行する場合であれば、現金手出しの差額だけで約167850円もの余計な支出が発生することになります。
特典航空券は一度発券してしまうと、航空会社の変更には取消手数料(1名につき3000マイル)を支払って払い戻しを行い、最初から予約をやり直さなければなりません。その時点で提携会社の空席が残っている保証はないため、予約確定ボタンを押す前の最終画面で運航会社と支払総額を厳しく確認することが防衛策となります。
国際線の預け入れ手荷物重量制限を事前に把握するための荷物用はかりやトラベル小物をチェックしておくと便利です。
よく届く問い: 燃油サーチャージ、提携社特典、座席枠
ANA特典航空券の発券実務に関して、旅行者から頻繁に寄せられる疑問について整理しました。
シンガポール航空以外の提携航空会社でも燃油サーチャージは0円になるか
航空会社ごとに方針が異なります。例えばユナイテッド航空運航便の太平洋路線などでは燃油サーチャージがかからない一方、タイ国際航空やルフトハンザ便などでは独自のサーチャージが請求されます。提携社ごとに予約照会画面で諸税総額を確認することが確実です。
燃油サーチャージが下がったタイミングで発券し直すことは可能か
一度発券した特典航空券の燃油サーチャージ額は、発券日の基準が維持されます。2か月ごとの改定でサーチャージが値下がりした場合、差額の自動払戻しは行われません。改定後の運賃を適用させるには、所定の払戻手数料(3000マイル)を支払って再発券する必要があります。
台風や悪天候で欠航になった場合の諸税の扱いはどうなるか
航空会社都合や台風などの不可抗力による欠航・大幅遅延が発生した場合、特典航空券は手数料なしで別便への振替または全額払い戻しが行われます。払い戻しの際は、使用したマイルだけでなく支払った燃油サーチャージや空港税も全額返金されます。欠航時の詳細な払戻しルールについては台風で欠航・中止の航空券はどう戻るかで解説しています。
- ANA 燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について 確認日: 2026年9月26日
写真: 4300streetcar/CC BY 4.0(Wikimedia Commons)








