国際観光旅客税引き上げ2026|出国税3000円時代の海外旅行プランニング術
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目次5項目
- 税目
- 国際観光旅客税(出国税)
- 納税義務者
- 船舶または航空機で日本から出国する旅客(国籍・渡航目的を問わない)
- 改正の経過
- 2026年3月31日に成立・公布(令和8年法律第12号)、7月1日に施行
- 適用開始
- 2026年7月1日以後の出国
- 経過措置
- 7月1日より前に結んだ運送契約で、その前に出国日を決めていたものは1,000円
- 主な非課税
- 出国する日に2歳未満・入国後24時間以内の一定の乗継旅客
- 確認日
- 2026年10月12日
国際観光旅客税(出国税)は、2026年7月1日以後の出国から1人3,000円になりました。2019年1月7日の導入から1,000円だった税率を上げる初めての改定で、法律は3月31日に成立・公布され、7月1日に施行されています。船舶か航空機で日本を出る旅客全員が対象で、国籍も渡航目的も問いません。
3,000円は現行法の額。2026年3月31日に成立し、7月1日の出国から適用された
引き上げは令和8年度税制改正の一部です。2025年12月19日に与党が税制改正大綱を決め、12月26日に閣議決定。所得税法等の一部を改正する法律案は2026年2月20日に国会へ提出され、3月31日に成立し、同じ日に公布されました(令和8年法律第12号)。国際観光旅客税法の税率の条文は7月1日の施行で「出国一回につき、三千円」に変わっていて、いま読む額は案でも見込みでもありません。
財務省は引き上げの理由として、観光客が集中する地域の混雑やマナー違反への対応、地方への誘客と需要の分散、アウトバウンド施策の充実を挙げ、日本人の出国者数がコロナ禍前の水準に戻っていないことにも触れています。増収の見込みは平年度で1,200億円、初年度の令和8年度で700億円です。
| 項目 | 2026年6月30日までの出国 | 2026年7月1日以後の出国 |
|---|---|---|
| 税額(出国1回) | 1,000円 | 3,000円 |
| 大人2人・8歳・1歳の4人家族 | 3,000円 | 9,000円 |
| 納める人 | 船舶・航空機で日本を出る旅客 | 同じ |
| 集め方 | 航空会社・船会社が運賃と一緒に徴収 | 同じ |
家族旅行ほど差が開くのは、割引が2歳未満の非課税しかないからです。4人のうち税がかからないのは1歳の子だけで、8歳も大人と同じ3,000円を払うため、3人分の2,000円、合わせて6,000円の増加になります。
6月30日までの発券なら1,000円のまま。ただし出国日を動かすと3,000円
旧税率が残るかどうかを決めるのは、出国日ではなく運送契約を結んだ日です。国税庁のQ&A(令和8年4月改訂)は、2026年7月1日より前に結んだ運送契約のうち、その前に出国日を決めていたものは、7月1日以後の出国でも1,000円と整理しています。観光庁のリーフレットは同じことを「6月30日までに発券された一定の航空券等」と書いています。予約を6月に入れていても、決済と発券が7月1日以後なら3,000円です。即時発券のLCCでは起きにくい話で、発券期限を後ろに置ける運賃や旅行会社が押さえているツアーの席は、eチケット控えの発券日(Date of Issue)が答えになります。
| 手元の航空券 | 税額 |
|---|---|
| 6月30日までに発券し、決めた出国日のまま出国する | 1,000円 |
| 発券後、7月1日以後の手続で出国日を変える(例: 7月3日の出発を7月2日に7月4日へ変更) | 3,000円 |
| 出国日を決めない航空券(オープンチケット・回数券)で、7月1日以後に日を決める | 3,000円 |
| 運賃とは別に国際観光旅客税を徴収すると、約款に定めた運送契約 | 3,000円 |
| 7月1日以後に発券した | 3,000円 |
旧税率で買った航空券でも、7月1日以後に日程を変えると新税率の3,000円が適用されるので、運賃規則の変更手数料とは別に1人2,000円の差が生じます。
非課税は2歳未満と一定の乗継旅客だけ。小学生も3,000円
旅行者が使える非課税は、出国する日の満年齢が2歳未満の乳幼児と、入国後24時間以内に出国する乗継旅客のふたつです。乗員や公用の外交官・国賓も税のかからない側に並びますが、休暇の旅行とは関係がありません。
| 区分 | 税 | 条件 |
|---|---|---|
| 出国する日に2歳未満 | 非課税 | 満年齢で判定する |
| 入国後24時間以内に出国する乗継旅客 | 非課税 | 航空機だけが対象で、船舶は含まない。到着と出発が24時間以内であることが1枚の航空券に載っていること。入国の直前に出発した空港と出国の直後に着く空港が同じなら対象外 |
| 2歳以上(小学生を含む) | 3,000円 | 年齢による割引はない |
| 出国後に悪天候や機器の不具合で、外国へ寄港せず日本に戻った人 | 課税されない | 日本の領空・領海を出たあとで戻った場合も含む |
| 乗員、公用機で出国する人、退去強制の人 | 課税されない | 旅行者には当てはまらない |
| 公用で出国する外国の大使・領事、国賓 | 免税 | 運送契約の際に所定の書類を出して手続する |
数え方にも決まりがあります。クルーズ船で日本のA港を出て外国に寄港し、再びB港から出るときは、出国のたびに課税されます。楽器の席のために1人で2席分の航空券を買っても、出国する人は1人なので1人分です。
税は運賃と一緒に集められ、搭乗までに払い終わる
集めるのは航空会社や船会社(特別徴収義務者)で、旅客が乗る時までに運賃と一緒に受け取り、出国した月の翌々月末までに国へ納めます。税務署や空港の窓口で別に払う場面はありません。外貨建ての運賃では、3,000円に相当する額を会社が決めた換算で集めます。為替レートは法令に定めがありません。運送事業者を通さないプライベートジェットなどの出国だけは、旅客本人が搭乗までに税関へ納めます。
増えた2,000円を別のところで戻すなら、動かせるのは宿と通信費です。海外旅行のスマホ通信はeSIMとWiFiレンタルで数千円が動き、クレジットカードの複数持ちは両替と付帯保険の側で効きます。宿は楽天トラベルなどで日程を先に押さえておくと、総額が読めます。
税収の使いみちは3分野。空港のゲートから観光地のごみ箱まで
観光庁は、税収を「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」「日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化」「地域固有の文化・自然等を活用した観光資源の整備等」の3分野に活用するとしています。令和8年度予算での活用事例は、自動手荷物預入機とウォークスルーゲート、パークアンドライドの実証実験、スマートごみ箱、登山道等の整備、無電柱化・美装化による街並み整備、旧三笠ホテルのような重要文化財の公開です。

出典: 国税庁「国際観光旅客税について」・同「国際観光旅客税に関するQ&A」(平成30年4月/令和8年4月改訂)・観光庁「国際観光旅客税の活用」および「国際観光旅客税の税率が3,000円に引き上げられます」(リーフレット)・財務省「令和8年度税制改正の解説」・e-Gov法令検索「国際観光旅客税法」 / 写真: Terence Ong/CC BY 2.5・MaedaAkihiko/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons) / 確認日 2026年10月12日








